忍者ブログ
読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16.
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

なぜこの誤った概念がかくも支配力を持つようになったのか
「ニート」とは、働かず、就学もせず、求職行動もとっていない若者を指す言葉で、日本では二〇〇四年頃より使われ始め、その急増が国を揺るがす危機のように叫ばれている。様々な機関が「ニート」の「人間性」を叩き直そうと「支援」の手を差し伸べており、多額の予算が動いている。
このような状況下において、本書では、まず、日本での「ニート問題」の論じられ方に疑問を覚える本田由紀氏が、「ニート」という言葉自体の不適切さを量と質の両面から明らかにする。
また、『いじめの社会理論』の著者である内藤朝雄氏は、「ニート」が大衆の憎悪と不安の標的とされていることを挙げ、憎悪のメカニズムと、「教育」的指導の持つ危険な欲望について解説する。
さらに、ブログ上で「俗流若者論批判」を精力的に展開し注目を浴びている後藤和智氏が、「ニート」を巡る言説を詳しく検証する。

先日読んだ、「経済ってそういうことだったのか会議」で気になったのは失業者という概念だった。
失業者が「今は働いていいないけど、ハローワークで仕事を探している人」のことを指す言うっていうのはその本で知った。だから、仕事をしていない人で、ハローワークに行かず仕事を探している人、たとえばデューダとかガテンのような雑誌で仕事を探している人は失業者ではない。
しかも、仕事をしていなくて、さらに仕事探しもしていない人も失業者じゃない。

なんてことを読んで手に取ったのがこの本。

ニートって言うと、なんか「ひきこもり」とかっていうネガティブなイメージがあった。けど、そもそもニートってそういう意味じゃなかった。

政策的に、情報操作的に、今まで自分が持っていた「ニート像」が作られたんだろう。

3人が執筆している3部構成でなっている。3人の執筆なので、部が変わると書きっぷりも変わってぶつ切り感は否めない。
忙しければ、第1部だけ読むのがいいと思う。

この第1部を書いた本田さんは、とても丁寧に分析していて、「ニートは昔からいた。ニートが増えているわけではない。」と展開し、若年層が働けない状況が問題と指摘している。

このあたりの論理展開は面白いよ。

PR
以下の内容。目次から。
・一人でできる学び
・二人でできる学び
・チームでできる学び
・組織レベルの学び

「上司が学ばない、部下が学べない そんな組織を変える!」というキャッチは強烈な印象を残す。

けど、いまいちだったかな。星2つで。

当たり前のことを、当たり前のように書いている。まぁ、新書なんでこんなもんでしょ。面白い本は面白いけど、そうでないのはそれなりなので。

見出しを斜めに読んで、気になる箇所だけ精読のスタイルをつらぬくゴーリキです。
約20分ぐらいで読了。

とはいうものの、この本による"気づき"はあった。
それは、自分は「一人でできる学び」ぐらいしかやっていないこと。
コーチングは意識してやっているけどな〜。

最近仕事がマンネリ気味かな?なんて思ったりして。

それにしても、筆者はブログというツールを知らないのかな。
ホームページやらメーリングリストという言葉は出てくるものの、ブログというのがでてこない。ブログなどのウェブサイトをまとめてホームページと呼んでるのかも。

「勉強しなきゃやべーな」と思った人にお勧め。
立ち読みだけでも、エッセンスは掴めると思う。



「世間が許さない」「世間体が悪い」「渡る世間は鬼ばかり」。日本には世間がある。「世間を見返してやる」「世間に申し訳がたたない」「世間に恩返しする」など個人の強い行動原理にもなっている。

無意識のうちに、人の目を気にして意思決定をしている自分に気づきはあった。
興味深かったのは、マスコミ報道のくだり。
なぜオサマビンラディンに「氏」をつけるのかっていうやつ。SMAPの稲垣吾郎が傷害事件を起こした時は「容疑者」ってつけると非難され、田代まさしが盗撮疑惑で任意の事情聴取で田代まさし「さん」とつけて非難されるかというもの。

この呼び名は「世間」とあまり関係ないとは思ったけどね。

実例を入れて説明する部分は、あ〜、なるほどね。というのが多かった。
けど、いきなり抽象化するので、かなり気合を入れて文意を掴んでいかないと読み進められなかった。これが、ちょっとシンドイと思った。

引用が多くて、イマイチ説得力に欠けるなとも感じた。

つまらなくもないけど、それほど面白くも無い。星は3つ。

時間があれば読んでみて。
面白い。星5つ。

「経済」っていう、曖昧であやふやでなんとな〜くしか理解できていないものを対談形式でわかりやすく説明している。

テーマは「お金とは何か」から始まって、「税金」から「政治」の話や「労働」まで幅広い。

自分にとって興味のある「株」についても語っていた。「株」は現代社会を生きていくうえで知っておかなければいけないと感じた。実際に株を買う、買わないは別にしても、資本主義社会である日本を生き抜いていくためには、それなりの知識が必要だと思った。

税金は仕事のネタでもあったため、以前から色々と本を読んだことがあったけど、政策側(税金をとる側)、経営者の立場からの税金という話し方が新鮮だった。
ちなみに、税金関連の本でお勧めは「「超」納税法」野口 悠紀雄。文庫でも出ているので一読を薦めます。サラリーマン側から見た税金が書いてある。

「アメリカとは何か」っていうのも題材として取り上げられていた。どうして、世界のリーダーとしてあんなに世界平和に率先して貢献しようとしているのか、なんていうテーマがあって、歴史的な視点から語ってくれていた。こういうアメリカの姿勢と今話題になっている牛肉輸入問題と紐付けて考えるのも楽しい。

経済とは関係ないけど、出口戦略の話は残った。
いつやめるかというのをあらかじめ決めておくっていうのをアメリカの企業はやっているんだって。同じような話を「はてな」の近藤社長が言っているのを最近どこかのブログで読んだというのもあって、印象的だった。
いつやめるのかって、そういうの考えたこと無かったから。

多くの"気づき"を与えてくれる良書。

広く浅くといった感じがあって、もう少し深掘りしてほしいテーマもあったんだけど、それは別の本を探して読むことにしよう。

こういう勉強を学生時代にやっておけばよかったなと、今になって思うよ。経営学部だったんだけどな〜。

ほんとグータラな学生生活を送っていたよ。
学校には行くものの、授業には出ないで部室でファミコンやったりしてた。
マリオカートは人に自慢できるぐらい上手いよ(^^

著著の中で気になって、これから読みたい本。
・ユーロ関連の本(ユーロの成り立ち、なぜドイツ主導のユーロになったかが書いてあるような本)
・アメリカ社会の特徴を説明した本。(ニューワールド、フロンティア、多様性が書いてある本、アメリカの歴史を記してある内容の本がいいのかも)

これから探そうと思うんだけど、いいタイトルの本知っていたら教えてくれぃ。

気になった記述
・リスクを取らないとリターンはあがらない。それが成熟したマーケットだ。
・失業者とは「職を探しているのに、職が無い人」→日本の失業率はもっと高い?

北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟。


設定が面白い。
経済の凋落が激しい近未来の日本を描いている。アメリカは対北朝鮮、対中国との関係を軟化し、経済的な力の無くなった日本は既にアジアのお荷物となっている。

活字中毒な人にはたまらないと思うし、自分も読み進めたいところなんだけど、「今読みたい本」というわけではないんだよな〜。

100ページぐらいで、断念。
北朝鮮の反乱軍が福岡ドームに突入して制圧するところで本を閉じた。

図書館の貸し出し期限も過ぎてしまうので、返却してもう1回借りることにしよう。

ちなみに、今読みたいのは経済関連の本。
読み始めたのは「経済ってそういうことだったのか会議」。

少女たちが卒直に語る、はじめてのH、彼氏と愛とセックスの関係、セフレの出現とエンコーのいま…。性の低年齢化の一方で、性感染症(HIV)の拡大、早すぎる妊娠・中絶、ネットのなかの性の危うさなど、リスクが広がる。どう向き合ったらいいのか。


タイトルに惹かれて手に取った。

全然頭に入ってこなかった。普通に週刊誌を読んでるほうが、より科学的に書いてあったりするんじゃないかな。

40ページぐらいまで読んで、その後は小見出しを斜めに読んで終了。
どうしても暇で暇でしょうがないという人にはいいかも。

東京地検特操部、中坊公平率いる「住管機構」。ふたつの「絶対正義」と徹底対決した二人の弁護士の挫折と栄光。

検事っていうと、キムタクが出演したドラマ「HERO」を思い出す。
この本はその検事という職種の人たちの中でもエリートと呼ばれる、東京地検特捜部をメインに書いたルポ。
ライブドアの家宅捜索に踏み切ったのもこの東京地検特捜部だった。その関連で手に取った本。

怖いと感じると同時に考えさせられた。「国策捜査」っていうのがキーワードだと思う。
『こいつはちょっとお灸を据えてやらなきゃいかんな』と思う相手に対して、検索が罪を作り上げる現実が丹念に描かれていたから。この本では、オウム真理教裁判の主任弁護人・安田好弘がその対象だった。
この安田弁護士はとても優秀だったようだ。検察がオウム真理教は麻原を頂点とした厳格な組織があったと主張したのに対し、安田弁護士は麻原は指導者としての立場にいたけどそのような組織は存在していないと実証を交えて論破したみたい。オウム真理教の幹部を早く重刑にしたい検察は、手を焼いていた安田弁護士に対する罪をでっちあげて身柄を拘束していく。

「でっち上げる」という表現は著書の中では使っていないけど、検察が絵を描いて、その絵に沿った証拠のみを裁判所に提出して罪を作り上げようとしていく。ラストで安田弁護団が検察の都合の良い証拠の裏を突いていく過程がとてもスリリングで面白い。

ライブドアの場合だって、そうやってありもしない罪をでっち上げられたのかもしれないと思った。ホリエモンは敵が多いから。テレビや新聞でライブドアの不正が色々と報道されているけど、検察の正式なプレスリリースって無いんだよね。メディア各社は独自の情報網で書いているんだろうけど、いわゆる情報操作ってヤツがなされているのかもしれない。

星は4つ。先日読んだ「真相 ライブドアvsフジ 日本を揺るがせた70日」と合わせて読むと良い。
 日本中が騒然となったライフドアとフジテレビジョンによるニッポン放送株の買収戦。その裏では、何が起きていたのか。事件の真相に迫る。
 2003年11月にポータル(玄関)サイトを開設したライブドアは先行大手との差を縮めるためメディア買収を志した。新聞社、出版社の買収が失敗する中、ニッポン放送とフジテレビの資本関係のねじれに注目するようになる。

面白かった。星5つ。

リアルタイムでこの事件をニュースや新聞で追ってはいたけど、面白いなと思う程度で真剣に見てはいなかった。こうやってまとめて書いてあるのを読み通すと、とても勉強になる。

amazonでは思った以上に評価は高くないけど、自分みたいにライブドア事件をきっかけにライブドアのニッポン放送買収をおさらいしたいという人にはお勧めできる。
ライブドアの動向、ニッポン放送を含めたフジテレビの動向、それからSBI北尾さんの登場、その裏に見え隠れする村上ファンド、登場する役者が多彩だし、買収の舞台で繰り広げる演技も面白い。
市場モラルや法律的な観点からも記述されているので、この本を読んで今回のライブドア事件を振り返ると考えることのできる幅が広がると思う。振り返るって言っても、まだ終わってないか。

この本の中で「資本のねじれ」という言葉がたくさん出てきた。ライブドアはこの事象を狙って、ニッポン放送経由にフジテレビを支配しようと企んでいたっていうのは周知の事実だと思う。この買収劇を機に他の企業でも『買収されたらかなわん』と、「資本のねじれ」を解消しようと動き出すわけ。そういえば、年の初めにセブンイレブンとイトーヨーカドーも解消したな〜って思い出した。

経営者は、日々買収の危機を感じて経営しなくちゃいけない時代になったのかな。大学時代、経営論の授業で「株式の持ち合いは時代遅れだ」っていうような言葉があったのを覚えている。付き合いで株を保有しあてって、なあなあで経営する時代から、株主が経営手腕を判断する時代に変わりつつあるとは理解していながらも、こういう買収回避のための「持ち合い」という手法もアリなんかなって思ったりした。かなり消極的な買収回避策だとは思うが。

専門用語(TOB、LBO)が少し難しいかもしれないけど、なんとなくでも分かっていればなんとか読み進められると思う。巻末に専門用語の説明も載っているし。全然話は違うけど、長い正式名は文章で読むのはちょっとつらい。略称でCBっていうのがあるんだけど、日本語にすると「転換社債型新株予約権付社債」。「転換社債型新株予約権付社債」って、読みにくくない?

 あいかわらず起業ブームが続いている。しかし、このブームに踊らされて失敗する起業家 entrepreneur が圧倒的に多い。それは、起業家自身が陥るワナ trap に気づい
ていないからだ。
 社長になれば、確かに自由が手に入る。しかし、その自由のウラには、厳しい自己責任と危険が常に隣り合わせで並んでいる。大半の脱サラ組がそんなことも気づかずスタートし、見事失敗して「起業地獄」に墜ちている。
 そもそも「石の上にも3年」ではないが、まず創業期の1、2年は飲まず、喰わず、眠らず、という「3ず主義」を覚悟しなければならない。そのうえでサギやパクリ屋、裏切り、嫉妬……と闘わなければならず、あげく、資金繰りに困って「マチキン地獄」へ転落だ。
 起業 start-up というのは、本当に難しい。私も失敗した1人だ。それであえて言うが、バカほど成功例に学ぼうとする傾向が強い。その結果、失敗する。では、利口はどうしたらいいのか? 本書は失敗例 cases of failure の
本である。


起業の失敗に学ぼう、今起業がもてはやされているけど大変だよ、というのが言いたいことなんだろう。
7章まであって、6章までが詐欺の話だった。例えば、フランチャイズ詐欺、取り込み詐欺等の話。
最後の7章でやっと、起業家が気をつけなければならないことが書いてある。

読み物としては面白かったけど、あまり参考にはならなかった。
中でも気に入った箇所。

・成功する人は、あきらめない。粘り強い。
・社長になっちゃいけないやつがなったから失敗する
・成功するのは0.3%
・人間は、歩いた分だけ視野が広がるんです

安部 公房の作品を読むのは、これがはじめて。

まず、設定が面白い。この作家には「不条理」という表現が使われるけど、ほんとその言葉がぴったりくる。

昆虫採集に出かけた男が、砂の穴の底に埋もれている一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。

ありえないシチュエーションでの、男の心理の変化していく様がとてもリアルで気持ち悪く描かれている。

全体的に暗いので、5つ星にはならずに星は4つ。

心理描写はほんとすごいよ。芥川龍之介的な感じがした。


 死者が現われる土地――V.ファーで起こる連続殺人、そして「ヒガン」という不可思議な儀式。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作! 本屋大賞&吉川英治新人文学賞W受賞『夜のピクニック』、直木賞候補作『ユージニア』につづき、さらなる新境地に挑んだ渾身の1600枚
話題になっているということで、手に取った本。

嫌な予感はしていたんだ。見事にその予感は的中した。

この前に読んだ彼の著書「夜のピクニック」は期待はずれだった。
そして今回読んだのは、ミステリーとファンタジーの融合という触れ込みだった。ファンタジーという単語で読むのは止めておけばよかったのかもしれない。

「ハリーポッター 賢者の石」は読んだことがある。けど、あのファンタジーの世界についていけなくて途中で断念した。今回読んだ「ネクロポリス」もそれと同じで、ファンタジーの世界にどうしてもついていけなかった。

146ページで断念。

やたらと片仮名が多いんだもん。アナザーヒルだとか、ヒガン(多分、彼岸のこと)だとか。
名前も全て片仮名だった。ジュンイチ、ハナ、マリコ。
いいじゃん。日本語で書けば。読みにくいんだよ。
文中に出てくるセリフ回しも、なんか洋書の翻訳みたいで気持ち悪かった。

恩田陸という作者は自分に合わないのかもしれない。
もう1作読んでみてから判断しようかな。

amazonの評価はとても高いので、気になる方はぜひとも読んでみて。

数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか

ニムが本屋で購入したので借りて読んだ。

実は、この作品「容疑者Xの献身」は図書館に予約を入れていた。
しかも予約したのは2005/10/09。4ヶ月たっても未だに順番がまわってこなかった。地元の図書館でもかなりの人気ぶりがうかがえる。

相変わらずページをめくらせる手腕はさすがで、時間を忘れて読んだ。
読み始めてのは昼休みだった。帰りの電車、家に帰ってからと隙間時間をみつけて読みふけってしまった。

ちょっとネタバレだけど、トリックは伊坂幸太郎を思わせるようなもので、やられた感が気持ちよかった。

ただ、なぜ石神が靖子と美里にあれほどの思いを寄せたのかは、イマイチ理解できなかった。もう少しこの部分を丹念に書いて欲しかったな。

感想としては面白いんだけど、星は4つ。
5つ星にならなかった理由は2つ。1つ目は先入観、2つ目はハードルの高さ。

先入観に関しては、読む前に情報をたくさん入れてしまった。
直木賞受賞だとか、このミステリーがすごい1位だとか、「犯人の深い愛と献身」というキャッチコピーだったり。想像以上にそういう情報が頭の中に入っていて、変な先入観が作られていた。

2つ目のハードルの高さっていうのは、面白いと思う基準があがるっていうこと。普通の作者なら面白いと思うのに、東野圭吾ということその判断基準があがってしまうんだよね。ファンだからそうなってしまうんだろうな。ちなみに、このハードルがあがってしまう作者は東野圭吾意外だと伊坂幸太郎と奥田英朗。

直木賞も受賞したことだし、興味のある人はぜひ一読を。

岡田准一&堤真一が出演した映画にもなっている原作。
ゾンビーズというシリーズになっていて、それぞれ漫画化もされている。
レボリューションNo3なんかも漫画で読んでいるし、このフライ、ダディ、フライも漫画で読んでいた。

活字としても読んでみようと思って手にとったわけだけど、読んでの感想は「漫画で十分だな」だった。
活字から読めば違ったったんだろうけど、漫画のイメージが強すぎた。
活字を追ってても、漫画の絵柄を思い出してしまった。

星は3つかな。

在日コリアンである「僕」の青春をポップな筆致でつづった直木賞受賞作『GO』以来、3年ぶりとなる金城一紀の長編小説。連作短編集『レヴォリューションNo.3』に登場したオチコボレ高校生集団「ザ・ゾンビーズ」が再び活躍する青春小説であるが、今回の主人公は高校生ではなく40代後半の平凡な中年男。家族の崩壊を必死に食いとめようともがく父親が、高校生の助けを借りながら目標に向かって邁進(まいしん)する姿を、軽妙なタッチで描いている。
鈴木一(はじめ)は、大手家電メーカーの子会社で経理部長をつとめるサラリーマン。学生時代に知りあった妻と、17歳になるひとり娘が唯一の自慢である。ある日、そんな鈴木のもとに、娘が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。娘を殴った相手は、ボクシングの高校生チャンピオンで、学校では品行方正で通っているという石原。復讐を決意した鈴木は、包丁を手に石原の通う高校を目指すが…。

沖縄出身でアメリカ人とのハーフの板良敷(いたらしき)、4か国分のDNAを持つアギー、ケンカ名人の朴舜臣(パク・スンシン)。差別や偏見の中でタフに生きる若者たちと平凡なサラリーマンとの対比の背後には、日本という国の歪みが見え隠れする。舜臣との奇妙な師弟関係を通じて、「彼の中の憎しみは、私が見て見ぬ振りをしているあいだに育っていったものなんだ」と悟る鈴木の姿が印象的である。ともすれば重くなりがちなテーマを、コミックを読ませるような感覚で、さらりと爽快に描ききってしまう金城の持ち味が、いかんなく発揮された作品である。(中島正敏)


警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チームは、現代の必殺仕置人らしく、また鮮やかに悪を葬り去るはずであった。しかし今回の彼らの標的は、被害者の遺族に代わって復習を果たそうとする「殺人者」であった。「症候群シリーズ」の掉尾を飾る問題作!

三部作の最後の作品らしい。知らないで、読んでしまった。

少年法とか精神薄弱によって守られる犯罪者、事件の被害者となった人間の生活はすさんでいく。
重いテーマだけど、スラスラと読める。
そして、このトリックは面白かった。これには気持ちよく騙された。活字でしか表現できないトリックだね。

とはいうものの、ちょっと物足りなかった。
キャラクターの似たような人が多かったので、ラスト近くになってもこれ誰だっけ?ってページを戻したりした。

星3つ。

家に帰ると、本がテーブルの上に置いてあった。
東野圭吾の本が2冊。「容疑者Xの献身」と「どちらかが彼女を殺した」だった。

昼間、トモさんがわざわざ家まで届けてくれたようで。

トモさん、寒い中ありがとう。
ニム、気を使ってもらってすまないね。

密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。


ダメだ〜。全然面白くない。
80ページを読んだところで、読むのを止めてしまった。
誰かは忘れたけど面白いよと勧められて読んだんだ。けど、まったく面白くなかった。

設定が古いというのと、無理な設定が面白くないと思った理由だろう。
ヴァーチャル・リアリティとか、ネットワークで全て繋がるというようなことを仰々しく書いている。
で、調べてみると発刊は1996年。当時としては新しかったかもね。
この業界にいるオイラとしては、古さばかり目立って興ざめだった。
無理な設定というのは、天才とかものすごく頭の良い人が多いということ。
そんな人ばかりだったら、なんでもできるよって思った。

発売当時に読めば、面白かったかもしれない。

久しぶりに星は1つ。

著者の書く作品は幅が広いと思う。
「最悪」「邪魔」ではシリアスに人間の落ちていく様を大胆に描いたかと思えば、「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」では伊良部という強烈なキャラクターを登場させ人間のあやふやで曖昧な精神の営みを皮肉った。そうかと思えば「サウス・バウンド」では冒険活劇よろしく、俺の心を強烈に鷲掴みにしたりする。

で、この「ララピポ」。
うん。下品。この下品という一言に尽きる。
登場人物はフリーライターだったり、渋谷のスカウトマンだったり、官能小説家だったり。そんな彼達・彼女達が各編で入り乱れている。
色々と計算して生きているんだけど、それが裏目に出たり。

喫茶店とか電車の中とか、人のいるところで読まない方がいいと思う。
ついニヤニヤしてしまうので。

星4つ。
全国書店員が選んだ、一番売りたい本の1次ノミネートが発表された。
http://www.hontai.jp/

これから2次投票が行われるようだ。
11作品中、読んだのは4冊。直木賞のエントリと比べるとまあまあ読んでる方かな。
伊坂幸太郎の作品が2つも入っているのが嬉しい。

『告白』 町田康(中央公論新社)
『サウスバウンド』 奥田英朗(角川書店)
『さくら』 西加奈子(小学館)
『死神の精度』 伊坂幸太郎(文藝春秋)
『その日のまえに』 重松清(文藝春秋)
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー(扶桑社)
『ナラタージュ』 島本理生(角川書店)
『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男(文藝春秋)
『魔王』 伊坂幸太郎(講談社)
『容疑者Xの献身』 東野圭吾(文藝春秋)
「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」

とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説!

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。・・・父さんの衝撃的な一言で始まる本作品は、いま最注目の新鋭作家・瀬尾まいこ氏による4作目となる長編小説であるとともに、主人公・佐和子の中学~高校時代にかけての4編の連作による構成となっています。 佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄・直ちゃん)、そして佐和子のボーイフレンド、兄のガールフレンドを中心に、あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます。

この著者の本を読むのは「卵の緒」から数えてこれで二冊目になる。
著者はこういう家族ものを描かせるのが上手だ。

「真剣ささえ捨てることができたら、困難は軽減できたのに」という言葉を残して父さんは自殺を図るが生き残り、母は家を出て、兄は大学を辞める。

「家族の絆とは何か?」みたいなそんな大それた命題はないんだけど、この家族のような生き方も家族という形態を持続させていくために必要なんだと思う。

ラストの展開は安易すぎたのではないかと感じた。
どっちかというと前に読んだ「卵の緒」の方が好きだけど、十分に楽しめる1冊。

1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。現実との接点があいまいで、幻想的な登場人物を配す作風はそのままであるが、これまで著者の作品に潜んでいた漠然とした恐怖や不安の影は、本書には、いっさい見当たらない。あるのは、ただまっすぐなまでの、人生に対する悦びである。

家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

80分間に限定された記憶、ページのあちこちに織りこまれた数式、そして江夏豊と野球カード。物語を構成するのは、ともすれば、その奇抜さばかりに目を奪われがちな要素が多い。しかし、著者の巧みな筆力は、そこから、他者へのいたわりや愛情の尊さ、すばらしさを見事に歌いあげる。博士とルートが抱き合うラストシーンにあふれるのは、人間の存在そのものにそそがれる、まばゆいばかりの祝福の光だ。3人のかけがえのない交わりは、一方で、あまりにもはかない。それだけに、博士の胸で揺れる野球カードのきらめきが、いつまでも、いつまでも心をとらえて離さない。(中島正敏)


映画化の原作で話題になっている。駅にもこの映画のポスターが貼ってあったりする。
原作を読んでみようと思って、手に取った本。

きれいな話だった。けど、自分には物足りなかった。
80分しか記憶を保持することができないという設定は面白いし、数学好きな自分にとっても知的好奇心をくすぐられる要素があってそれなりに楽しめる。
でも、それ以外の物語の展開は単調に感じられた。
泣けるポイントもあるようなんだけど、そのポイントはどこにも感じることができなかった。

面白くないことはない。けど、自分には合わない本だった。
期待しすぎただけなのかもしれない。
星は3つ。

先日の「死神の精度」に引き続き、連続で伊坂幸太郎の作品を読み終わった。

これは面白いよ。
文句なしで星5つ。

「死神の精度」「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」のようなダークな部分はほとんどなく、能天気な大学生の物語になっている。
「陽気なギャングが地球を回す」を面白いと思った人は気に入ると思う。

登場人物がとにかく魅力的。
麻雀の四風牌にちなんで、北村、南、東堂、西嶋、そして鳥井の男女5人が繰り広げる青春もの。
北村は、いつもの伊坂氏の主人公と同じタイプで温度の低い、ちっとも面白味のない奴。
南は、大人しい超能力女。
東堂は、笑わない冷めた美女。
鳥井は、ぎゃははと笑う合コン男。
そして西嶋に至っては、すぐ政治の話を出してくる鬱陶しいヤツ。

でもそんな西嶋が好き。世界平和を願って、麻雀でもつねに「平和(ピンフと読む麻雀の役)」であがろうとする。
字が同じだから平和を作り続けるっていう考えが面白いよ。

物語の展開にハラハラさせられたり、ちょっとホロっときたり。
こんな大学生活をもう一度やりたい。
学生時代を思い出しちゃったよ。

もちろん伊坂幸太郎特有の時間軸を狂わせる要素もあるし、西嶋の過去に関係している人物はチルドレンに出てくるあの人を思わせるような展開もあるし。


西嶋が発した好きなセリフ。合コンの場で酔っ払いながらの場面。
「目の前の人間を救えない人が、もっとでかいことで助けられるわけないじゃないですか。歴史なんて糞くらえですよ。目の前の危機を救えばいいじゃないですか。今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ」

これは全くもって俺の想像なんだけど、西嶋のモデルってサンボマスターのボーカルである山口隆なんじゃないかな。

071f1b37.jpg
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060117-00000111-mai-soci
 第134回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が17日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞が絲山(いとやま)秋子さん(39)の「沖で待つ」(「文学界」9月号)に、直木賞は東野圭吾さん(47)の「容疑者Xの献身」(文芸春秋)に決まった。ともに、何度も候補になったことのある実力派の受賞になった。贈呈式は2月17日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれ、正賞の時計と副賞100万円がそれぞれ贈られる。

前の記事でも希望を書いたけど、東野圭吾が直木賞を受賞!
この作家好きなので、純粋に嬉しい。

やっととれたね〜という感じ。

ニュースの映像で彼の声を初めて聞いたよ。
あんな声してるんだ。
図書館で借りてきた以下の本は貸し出し期限内に読みきれなくて、残念ながら返却。
また機会を見つけて借りてこないと。
・野球の国
・マドンナ
・泳いで帰れ

今日読み終わったのは「死神の精度/伊坂幸太郎」。
今回の直木賞のエントリー作品。

クールな死神を主人公とする以下の6編の構成です。彼が担当する人間は8日目に死ぬ運命にあり、それで「可」なのか、それとも死を「見送る」べきか、を判断するのが仕事です。
1. 死神の精度:企業のクレーマー担当係の女性
2. 死神と藤田:筋を通すやくざ
3. 吹雪に死神:吹雪の山荘に集まった人々
4. 恋愛で死神:イケメンでシャイなブティック店員
5. 旅路を死神:人を刺し殺した若者
6. 死神対老女:センスの良い70歳の美容師


著者の特徴として時間軸を飛躍というのが挙げられると思う。
「時間軸の飛躍」って俺が勝手に作った言葉だけど、時間が正しく流れているようにみえて、実は過去の出来事だったり、ものすごく遠い未来の話をしていたり、読者の時間軸を狂わせるのが上手だということ。
本書の中でも最後の編においては時間軸は狂わされるし、それぞれの編での伏線みたいなのがきれいにつながるしでとても秀逸だと思う。

けど、東野圭吾の「ある閉ざされた雪の山荘で」を思わせるんだけど物足りないのもあったりて、「どうなのよ、これ?」と思わされる編もあったことは事実。

評価は星4つ。

普通の作者なら当然星5つなんだけど、伊坂幸太郎はどうしても期待してしまって、その期待をわずかながら下回ったと感じたので。

熱は下がったものの、体がだるく食欲もあまり出ないため家でのんびりしていた。
読み終わったのは、「ビジョナリー・カンパニー」

企業の使命として株主への利益還元がさけばれて久しい。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。

本書は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポート。企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。(青木 明)

ビジネスマンなら読むべき本だと思う。
先見性のある企業(ビジョナリー・カンパニー)には共通してどのような特徴があるかというのを書いてある本。

出版が1995年と古いので出てくる企業は今となっては「?」のつく企業もいることは確かだけど、なぜその「?」の企業がビジョナリー・カンパニーでなくなっていったのかを自分なりに類推していくのも楽しい。

本書には企業家の含蓄ある言葉も多く載っていて、それらを読むのもまた楽しい。
下は自分にとってピンっときた言葉。

ヘンリー・フォード
『自動車業界で莫大な利益をあげるべきだとは思わない。適度な利益が望ましく、過度の利益は望ましくない。利益は適度に抑えて、販売台数を多くする方が良いと、私は考えている。・・・なぜなら、車を買って、車にのるこをと楽しめる人が増え、そして、十分な賃金で雇用できる人数が増えるからだ。この2つの目標を達成することに、わたしは人生を賭けている。』

今日、読み終わったのはこれ。「ダックコール」。
石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。"まれに見る美しさを持った小説"と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。

鳥(特に野鳥)がモチーフになっている短編集。
描写が綺麗で話もそこそこ面白い、、、。けど、期待しすぎたかな。
短編はそれぞれ独立していて、ぶつ切りの印象があってトータルで楽しめなかった。

今年から、アフェリエイト貼ってみる。
興味あれば、クリックしてご購入を。そしたら、俺に少しばかりお小遣いが入りますんで(^^)

(古い本なので、上のリンクは画像がでてこない。)
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
プロフィール
HN:
てつ
性別:
男性
ブログ内検索
忍者ブログ | [PR]
shinobi.jp