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2007年の本屋大賞が発表された。http://www.hontai.jp/
ざっと眺めると、上位10冊のうち6冊は読んでる。
1位『一瞬の風になれ』と3位 『風が強く吹いている』は青春モノであり、スポコンものである。自分が本屋大賞の選定委員なら、同じように投票するだろうな。
1位『一瞬の風になれ』/佐藤 多佳子
2位 『夜は短し歩けよ乙女』/森見 登美彦
3位 『風が強く吹いている』/三浦 しをん
4位 『終末のフール』/伊坂 幸太郎
5位 『図書館戦争』/有川 浩
6位 『鴨川ホルモー』/万城目 学
7位 『ミーナの行進』/小川 洋子
8位『陰日向に咲く』/劇団ひとり
9位 『失われた町』/三崎 亜記
10位 『名もなき毒』/宮部 みゆき
世界から憧憬の眼差しが注がれる経済大国? それとも、物真似上手のエコノミック・アニマル? 地球各地で収集したジョークの数々を紹介しながら、適材適所に付された解説により、異国から見た真の日本人像を描き出していきます。『世界の紛争地ジョーク集』『世界反米ジョーク集』に続く、同著者入魂の第三弾は、読者からも問い合わせの多かった「日本人をネタにしたもの」を満載しました。笑って知って、また笑う。一冊で二度おいしい本の誕生です。知的なスパイスの効いた爆笑ネタを、ぜひご賞味あれ!
日本人を題材にしたジョーク集。
うーん。
面白いのはあるけど、笑えないかな。こういうの苦手。
25ページぐらい読んで終了。
星1つ。
さまざまなデータの「本当のようなウソ」を見抜く独自の「統計学」とは? 情報の先にある「顧客の心理」をいかに見抜くか? 仮説と検証の繰り返しで、「正しい解答」を見つけ出していく鈴木流情報分析術を全公開。
セブンアンドアイの代表取締役会長兼最高経営責任者。
面白かった。あまりこの人に関する本を読んだことはなかったのだけど、この人の考え方ってブレてない。
徹底したお客さん目線には恐れ入る。どのようにすれば、買ってくれるのか、何が喜ばれるかをいつも考えているんだな。
小売業界ではない自分にとって興味深かったのは、徹底したダイレクト・コミュニケーションのこと。
全国にいる各マネージャーを同じ場所に集めて、ミーティングを行うのだ。それも週に1回。インターネット等の通信網が発達している今でも、これは毎週行われている。
面と向かって、顔を合わせて繰り返し伝えなければ、伝えたいものは伝えられないのだろう。
星3つ。
文庫なので、読みやすい。
あの作品に登場した脇役達の日常は? 人気の高い「あの人」が、今度は主役に! デビュー第1短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
以下の4つの作品をおさめた短編集だ。
- 「動物園のエンジン」
- 「フィッシュストーリー」
- 「サクリファイス」
- 「ポテチ」
この人の書くのって、好きなんだなー。空き巣の黒澤が2つの編に出てきたりして、このキャラクタが好きな自分としては大満足だ。
会話の妙はこの作品でも健在。
自殺を止めるために、なぜか、キリンに乗っていくからそれまで待ってろと伝えるシーン。
「キリン、乗ってないじゃん。というか、あんた誰!」
「俺は今村と言って」
「聞いてないってば」
「聞いたじゃないか」
こういうのが好きなんだよ。
星5つ。
読むべし!
「以前の私は人見知りが激しく、他人と打ち解けるのに、とても時間がかかった。社会に出てからも、わざわざ親しくもない人と一緒に何かするくらいなら、一人でいたいというつまらない人間だった。でも、…」誰かとつながる。それは幸せなことだ…待望の初エッセイ。
昨年12月に発刊された、瀬尾まいこのエッセーだ。
瀬尾まいこは自分の好きな作家の1人だ。著者は、淡々としている中に見せるポジティブ感を巧みに表現するんだよ。
この前読んだ「温室デイズ」は、自分の評価として星5つだった。
そして、本書はそんな著者のエッセーだ。小説とは違うのだけど、ポジティブな感覚がいかんなく発揮されていたと思う。
学校の中でおこるいじめ等や教師間で出来事について「悪いこともあるけど、良いこともあるよね」みたいなスタンスで淡々と前向きな世界観を提示している。
星4つ。
30分ぐらいで読めると思う。エッセーで1編が短いので、ちょっとした隙間時間に読むのがオススメ。
あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。
主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまでも速くなること。信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。
青春もの。うん。ど真ん中の青春ものだ。
高校時代に運動部に入っていた人は、少なからず共感できるのではないかと思う。
高校時代はラグビー部だった俺。隣の陸上部が、女の子と楽しそうに走っているのを横目で見ながら、「楽しそうだなー」と思っていたものだ。
けど、陸上の練習もキツいのね。
失敗したと思ったのは、2巻で終わりだと勘違いしていたこと。これは3巻まで続くのだ。図書館で借りたのは2巻までなので、とても続きが気になる。
3巻だけ買ってしまうかも。
2巻までは、星5つ。
あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』を読んでみようかな。
「ほぼ日」名物の長寿コーナーから厳選に厳選を重ねた爆笑ネタを
1冊につき700個、これでもかこれでもかと詰め込みました!
編集しているスタッフも深夜に笑いが止まらなくなるクオリティー!
自信を持っていえます。そうとう、おもしろいです。いや、ほんと。
内容はもちろんですが、前作同様、装丁もかなり「まつがって」ます。
いま、印刷所のおじさんたちが頭を抱えてるところです。
つまり、内容・装丁ともに保証付きの1冊! いや、2冊!
「発売日に間に合うかな?」ということ以外はまったく不安がない!
否が応でも笑いが止まらない本を、あなたに!
以前も読んだ「言いまつがい」の新刊だ。
新刊は金と銀の二冊がリリースされていて、今回読んだのは"銀"の方だ。
amazonのレビューにもあるけど、ほんと、良い意味でくだらない。
時間のあるときに。
星3つ。
くだらないと言いつつ、もう1つの「金の言いまつがい」も既に図書館に予約済みだったりする。
美丘、きみは覚えているだろうか。ぼくときみがいっしょに暮らしはじめた八月。あの夏の光と夜のやさしさを―。残された命を見つめ、限りある生を全力が走り抜けた美丘。彼女が生きたことの証として最期を見届ける太一。奇跡のラストシーンに向かって魂を燃焼しつくした恋人たちを描く、号泣の物語。
久しぶりに読んだ恋愛もの。
ちょっと、出来すぎなんじゃない?なんて思いながらも、ドンドンとハマっていった作品。
ベタなんだけど、こういうの意外と好きみたい。新しい自分の発見かも。
ただ、ストーリー展開は、「世界の中心で、愛をさけぶ 」に似ていると感じた。 難病で死んでしまった彼女である美丘のことを主人公の男が過去を振り返りながら語っていくといった展開だから。
この本を読みながら 「何のために生きるか」って考えたりした。20歳前後の若さでこの世を去ることを悟った美丘の心情とか、それで感じたことなんかを、もっとえぐって書いて欲しかった。
星4つ。
著者の臭くて気障な文体に好き嫌いは分かれると思うけど、セカチューを気に入っていたら読んでみて。
そういえば、「世界の中心で、愛をさけぶ」は読んでて泣きそうになったんだっけ。。。
HIPHOPの枠を飛び出て、もっとラップを楽しもう! ラップのオキテとなる韻の踏み方から、オリジナルの作詞、リリックをリズムに乗せるコツ、そしてプロモーションまでを、面白おかしいイラストで楽しく解説。
著者からコメントをもらったので、手にとった本。
分かりやすいイラスト等がはいっていて、ラッパーになるたには理解しやすいかも。
ライムの作り方、ステージングの心得みたいなのがあってより実践的な印象を受けた。
ただ、前作の方がラップの音楽的な用語とかがあって、自分としては前作のほうが楽しめた。
また、コール・アンド・レスポンスのことが書いてあったが、あの文化はやめた方がいいと思うのだが。。。あのように強制的に何かを言わせられるのって、苦手なのだ。観ていて、自然と盛り上がってきて、言いたかったら自分から叫ぶよ。
ハウスにはない、ヒップホップ独特の文化だと思う。ヒップホップのって、ロックのライブにあるようなコール・アンド・レスポンスとはなんとなく違う気がするし。
星3つ。
10分あれば読める。
人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?『明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。感動青春大作。17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。
著者の作品を読んだのは「僕たちの戦争」「明日の記憶」に次いで3作目になる。
久しぶりに読んだ小説だ。
俺はこういう青春ものが大好きなんだなー。ど真ん中だもん。爽快感がたまらない。嫌なことは忘れさせてくれるよ。
クロマニヨン人がお父さんという不条理な設定ながら、「自分って、いったい何者なんだ?」と少年時代に感じていたものをうまく表現してくれていると思う。
自分は世界からみると、たった64億分の1。しかし、自分は一人しかいない。そして、自分はミッシングリンクなんかではなくて、密接に繋がっているんだ。誰かからのバトンを受け継いでいるのだということを教えてくれたような気がする。
星5つ。
オススメ。
「仕事量が多くてうんざり」「あの上司がどうしてもイ
ヤ」......。毎日、朝を迎えるたびに「会社に行きたくない」と嘆くビジネス
パーソンに贈る、心を切り換え、仕事の問題を解決するための技術。本書を読め
ば、「さっ、会社に行こう!」という気持ちに必ずなれるハズ。
タイトルを見ると、まさに自分のためにあるような本だ。だって、休み明けの月曜日なんて、ほんと会社へ行きたくないもん。
けど、このタイトルと内容はちょっと違っているかも。
仕事をしていく中でよく起こりえるようなシチュエーションから、どのような考え方をすればいいのかというのを提案している本だ。
以下、気になった3つの記述。
・全て勝とうとしない。負けが込んでいるときは、一度勝つ。
→これはよく思う。自分のやりたいように仕事ができるなんて、100%無いから。譲歩ポイントを自分の中で持っておいて、どこで折り合ったら勝ちかというのは考えておく。負けがこんだら、小さい勝てる勝負しかしないようにする。
・「女性は生まれたときから女優である」としたら、男性は「経験を積むことで名優になれる」
→いつも同じ自分を生きるのは飽きてしまう。「弱い男」や「ダメなやつ」をも演じるのもいい。
・「スタンダードは人それぞれで、相手に自分の基準を押し付けない」
→自分ばかりが損していると思うときは、このような考え方になっていないか点検してみる。
星3つ。
本への愛情が凝縮されたポップから、ジャンルを越えたオモシロ本が見つかる! ポップで見る100冊と書店業界ウラ話が満載の、カリスマ書店員のブックガイド。『WEB本の雑誌』連載を単行本化。
実際に書店で並べたようなPOPを紹介しながら、POPの作り方やその効果等を述べている本。
全体の95%ぐらいがPOPなので、著者のオススメ本を紹介するものになっている。
本書のPOPを見て、「これ、面白そう」って思った本。読んでみようと思う。
- ナイフ/重松清
- 家族場面/筒井康隆
- ラブレター/おーなり由子
- 150cmライフ/たかぎなおこ
- ナタラージュ/島本理生
- がんと向き合って/上野創
- 青空チェリー/豊島ミホ
- つきのふね/森 絵都
- 優しい音楽/瀬尾まい子
- イッツ・オンリー・トーク/絲山 秋子
星3つ。
NHKで放送中の『NHK週刊こどもニュース』の内容をもとに編集されています。「北朝鮮の核実験」「格差社会」「惑星の数」「2007年問題」「いじめ」など2006年の重大ニュースについてわかりやすく解説。
小学校低学年向けの本だと感じた。というのも、全ての漢字にひらがなをふってあったから。
新聞で目にするような言葉を、わかりやすく解説している。
特に経済用語はわかりやすく書いてあったと思う。例えば、「量的緩和」「ライブドアの上場廃止」「インサイダー取引」「消費者金融」など。
ただ、「格差社会」についての記述は、いかにもステレオタイプだったかな。
例えば非正規雇用については、雇う側のメリットしか述べておらず、「だから非正規雇用は問題です」と片面から説明しかなかった。自由に働けるようになるという働く側のメリットもあると思うのだが。。。
ページの都合もあるだろうけど、もう少し多面的な説明が欲しいところだ。
この本は06年バージョン。毎年発刊されているようで、来年出る08年バージョンでは「ホワイトカラーイグゼンプション」「ワークライフバランス」とか「六カ国協議」という言葉が出てきそう。
星2つ。
男たちの生き方に共感必至!
CM制作を手がける麻生は昔の恋人の窮地を救うため突飛な手を考えた!(「水母」)。広告界と美術界を舞台にした力作3篇を収録!
amazonの評価も良いので、手にとった本。著者の作品を読んだのは初めて。
中年男性を中心としたストーリーが3つおさめられている。
うーん。自分には合わないんだよなー。こういうの。なんか、やけに洒落た感じに展開させようとするのがチョット。。。
短編だからそうなのかもしれないが。
星2つ。
長編を読むと、印象は変わるのかもしれないが。
決断するまでは、誰しも迷う。ましてや従業員16万人、売り上げ総額7・5兆円の企業の運命がかかっているのならば…。一社員から、ソニー初の「プロフェッショナル経営者」として社長に就任した著者は、瀕死の状態だったソニーの立て直しに成功する。そして、コーポレート・ガバナンス改革を実践し、精緻な企業戦略を練り上げ、さらなる改革へと突き進むが…。前CEOが、初めて語ったソニー経営の内幕。
ソニーの前CEOである出井さんが書いた本。
CEOという重責の中、決断をする上で何に迷っていたのか、そういう心の中の葛藤がうまく描かれていると思う。失敗したと思う決断もここで述べられている。
その失敗だけど、もう少し、テレビ関連の技術に言及して欲しかったところではある。例えば、トレンド的にはプラズマや液晶がブラン管にとってかわろうとしていくなか、トリニトロンの技術に拘った経緯とか。
創業者のようなカリスマのない自分に対する社内の求心力に言及している箇所は興味深かった。自分が会社というものに興味を持った頃、既に出井さんがソニーの社長だった。だから、創業者のようなカリスマを持っていると思っていたのだが、実際は創業者と比較されて、様々な反発もあったようだ。
著者の将来の姿を予想して、どのようなアクションをとっていくのかというのは、会社員の自分も見習うべきだ。真似していこうと思う。彼は10年も前に、携帯電話、ポータブルゲームのように個人のマスメディアの時代になると予想していた。
星4つ。
出井さんの後はストリンガー氏がCEOになったが、それも考えた末の決断だったんだろう。
これで最後、恋人と別れるつもりで出掛けた海辺の旅館で起こった奇跡とは?(表題作)昭和が昭和であった時代。ぼろアパートに住む僕の部屋の隣には、間抜けで生真面目で、だけど憎めない駄目ヤクザが住んでいた…(風蕭蕭)。これぞ短編。これぞ小説。名手が五年の歳月をかけて書き綴った、心をほぐす物語。人を想い、過去を引きずり、日々を暮らす。そんなあなたを優しく包む、浅田次郎待望の最新刊。
以前、「地下鉄に乗って」を読んで面白かったので手に取った本。短編集だ。
短い物語をうまくまとめているとは思う。
しかし。
ここから面白くなるんじゃないか、というようなところで終わってしまうので、消化不良。
また、余韻を持たせた終わり方の作品が多く、「だから、何なの?」って言いたくなるよなものが多かった。
自分にはピンとこなかった。
星2つ。
迫害を逃れて、アメリカにわたったユダヤ出身の一経済学者の思想は、はじめ「国家からの自由」を求める小さな声に過ぎなかった。70年代、その声は次第に大きくなり、やがてアメリカの政権中枢部を覆い、南米をかわきりに世界へとあふれ出す。―市場原理主義(ネオリベラリズム)。市場が人間を支配する思想へと変質したそれは、実体経済を破綻させ、人心を荒廃させる「悪夢のサイクル」を産み出した。
興味深く読んだ。
市場は万能ではない、市場に人間をあわせるのではなく、市場を人間に合わせるべきだという筆者の考えには、同意。
この本が面白いのは、ちょっと先の将来像を描いていること、そしてどうすれば良いかというのが書いてあること。
税源移譲などで地域格差が大きく進み、地域格差が今後ますます崩壊していく。さらに、治安が悪化するという予想は現実のものになっていくだろう。
ただ、規制緩和による格差社会の成立とか、若干「風が吹けば桶屋が儲かる」とかいわゆる「バタフライ論理」的な感じもしたが、ある意味では的を射ているのだと感じた。
また、北欧諸国に理想を見出しているようだけど、イマイチ説得感に欠けたかも。なんか、申し訳なさ程度に書いてあったし、北欧諸国の美点だけで、問題点を書いていなかったので。
経済学者のミルトン・フリードマンの名前は覚えておいた方がよい。
星4つ。
相撲は文化かスポーツか、という問題を、日本相撲協会が土俵に女性が上がることを拒絶している点から浮き彫りにする。2000年に女性初の横綱審議委員に就任した著者が、宗教的儀式としての相撲の歴史を追究し、文化論争を抜きにした男女共同参画に疑問を呈する。
一方で、土俵への女子禁制を貫きながら、「クールビズ」などのカジュアルな服装の男性を土俵に上げた相撲協会を批判。その姿勢に対して一貫性の欠如を指摘している。外国人力士が活躍する角界に対し、日本人がどのように向き合っていくべきかを、原点に立ち戻って考えさせてくれる。併せて、グローバリゼーションや男女平等という尺度を、すべての事象に当てはめようとすることへの警鐘を鳴らす。
想像した以上に面白かった。本のタイトルから邪推すると、なんとなくフェミニズム的な内容なのかと思っていた。しかし、そうではなかった。相撲を真面目に論じており、とても好感をもって読んだ。
冒頭に結論を述べて、それを各章で展開するという王道的な論理展開で読みやすかった。
筆者の主張は2つあると受け取った。
1つ目は「女は土俵にあがる必要は無い。なぜなら、土俵は神聖な場所だからだ。神聖な場所に女は入る必要はない。」
2つ目は「土俵に女をあがるかどうかを決めるのは、当事者である。だから、外野がとやかく言うことではない。」
1つ目の主張について、古くからある女性不浄観なども提示されて、とても興味深かった。現代に住む自分にとっては、女性は不浄なものという感覚は無いのだけど、そのような観方は自分達が子供の頃まであったようだ。
2つ目の主張は相撲というビジネスをどのように国技にまで発展させていったかを詳しく述べている。神事的な意味を後付でつけてきた相撲を丁寧に解説しているところを見ると、筆者は書いていないのだけど、遅かれ早かれ土俵にあがる日が来るのかもしれないと思った。
そういえば、最近相撲は観ないし、「土俵にあがるのか、あがらないのか」って、どうでもいいことだと思っていた。けど、こうやって解説されると、相撲を観ようという気になる。
背景にある、ジェンダーフリーや男女共同参画といったものと、昔から日本にあるものをどのように折り合っていくのかを考えさせられる。
星4つ。
子供が苦手な松尾先生が「大人になりたくない」と口をそろえる27人の12歳たちを相手に行った授業のテーマは「大人って何?」。この爆笑の授業に完全密着した一冊。作文や最後の授業に思わず涙。
松尾スズキを意識したのは、深夜に放送されていたドラマを観てから。観ていた人は少ないと思うけど、役者魂とか、役者モノとか演技者そんなタイトルの深夜番組だったと思う。4週ぐらいに分かれて色々な人が脚本したり演出したりするドラマを放送するんだけど、松尾スズキのやつが面白かったのだ。タイトルは「マシン日記」とかそんな感じ。
どれもうろ覚えだなー。
覚えているのは、不条理な設定だったということ。鎖に繋がれているV6の森田剛がいて、ラストの展開では逃げ出すために斧を持ち出して、「切ってくれ!」と女の子に言うのだけど、その女の子は鎖を切るのではなく、足を切ってしまうという、ちょっとスプラッタ的な内容。
しかし、その他の登場人物と合わさると、「オズの魔法使い」の登場人物と同じになっていたりして、「うわ、これスゲー」って感動していたりした。
そんな松尾スズキ。
小学校6年生から見た自分は随分と大人なんだろうな。なんて、この本を読みながら考えていた。小学校6年生、当時のことってあまり覚えていない。なんとなく、楽しく過ごしていたよな気はするのだが。。。
大人らしい雰囲気で、「銀座の恋の物語」を歌わせるところなんかは、松尾スズキっぽくて面白かった。
こんな授業を受けていたら、自分も少しは良い大人になっていたかもな。
星3つ。
何気なく飛び出したコトバが「流行語」となって社会を動かす。「リベンジ」「バブル」「負け犬」「フォー!」…と常に時代のコトバを映しつづけてきた「流行語大賞」を切り口に、近代化以降、日本の社会を動かし続けてきた流行語の正体に迫る。流行語が生まれる法則を解き明かし、社会に与えてきた影響を明らかにしていく。
日本の社会がどのように変化していったかを、流行語から読み解いていこうというような本。
流行語が見出しっぽくなってて、簡単に考察されている。
興味深かったのは、ネガティブな流行語に対する流行語を選出する委員会の対応。オウム真理教に関する「ポア」のような言葉に対する毅然とした態度には共感した。
だた、「一億総中流」から「格差社会」とか。ちょっとステレオタイプにまとめた感はあったかな。
星2つ。
20分ぐらいで見出しを見ながらの流し読み。
「いきなり企画会議」からは"いい企画"は生まれない。いい企画を生むための「アイデア会議」の仕組みや運用方法、主役であるプランナーとディレクターの仕事について解説。「チームでアイデアを考える力」を養うための一冊。
やっぱ、自分達が行った会議は、進め方が悪かったのだ。
この本を読むとそれがよくわかる。そして、どうすればよかったのかも書いてある。
まず最初から否定された。ただ集まるじゃダメなんだ。事前の準備が必要なんだ。それは、ディレクターの手腕にもよるのだが。
ディレクターとプランナーといった会議での「役割」をハッキリさせ、しっかりと自分の「役割」を演じることで、会議がどんどん活性化していく。
以下、気になった記述。
p.33
アイデア会議にはプランナーとディレクターの役割が必要。
「人間って面白くて、役割をしっかりと自覚できると、その役を演じることができるようになります。」
p.37
拡散と収束を意識して行う。
p.78
アイデア至上主義。
発言者とそのアイデアは切り離す。
そのためにも、視線は人に向けるのではなく、ホワイトボード等に向ける。
これ「ストレスフリーのホワイトボード術」と同じことだと思う。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」byジェームス・ウェブ・ヤング
星4つ。
企画系の会議に悩んだらオススメ。