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決断するまでは、誰しも迷う。ましてや従業員16万人、売り上げ総額7・5兆円の企業の運命がかかっているのならば…。一社員から、ソニー初の「プロフェッショナル経営者」として社長に就任した著者は、瀕死の状態だったソニーの立て直しに成功する。そして、コーポレート・ガバナンス改革を実践し、精緻な企業戦略を練り上げ、さらなる改革へと突き進むが…。前CEOが、初めて語ったソニー経営の内幕。
ソニーの前CEOである出井さんが書いた本。
CEOという重責の中、決断をする上で何に迷っていたのか、そういう心の中の葛藤がうまく描かれていると思う。失敗したと思う決断もここで述べられている。
その失敗だけど、もう少し、テレビ関連の技術に言及して欲しかったところではある。例えば、トレンド的にはプラズマや液晶がブラン管にとってかわろうとしていくなか、トリニトロンの技術に拘った経緯とか。
創業者のようなカリスマのない自分に対する社内の求心力に言及している箇所は興味深かった。自分が会社というものに興味を持った頃、既に出井さんがソニーの社長だった。だから、創業者のようなカリスマを持っていると思っていたのだが、実際は創業者と比較されて、様々な反発もあったようだ。
著者の将来の姿を予想して、どのようなアクションをとっていくのかというのは、会社員の自分も見習うべきだ。真似していこうと思う。彼は10年も前に、携帯電話、ポータブルゲームのように個人のマスメディアの時代になると予想していた。
星4つ。
出井さんの後はストリンガー氏がCEOになったが、それも考えた末の決断だったんだろう。