読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
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迫害を逃れて、アメリカにわたったユダヤ出身の一経済学者の思想は、はじめ「国家からの自由」を求める小さな声に過ぎなかった。70年代、その声は次第に大きくなり、やがてアメリカの政権中枢部を覆い、南米をかわきりに世界へとあふれ出す。―市場原理主義(ネオリベラリズム)。市場が人間を支配する思想へと変質したそれは、実体経済を破綻させ、人心を荒廃させる「悪夢のサイクル」を産み出した。
興味深く読んだ。
市場は万能ではない、市場に人間をあわせるのではなく、市場を人間に合わせるべきだという筆者の考えには、同意。
この本が面白いのは、ちょっと先の将来像を描いていること、そしてどうすれば良いかというのが書いてあること。
税源移譲などで地域格差が大きく進み、地域格差が今後ますます崩壊していく。さらに、治安が悪化するという予想は現実のものになっていくだろう。
ただ、規制緩和による格差社会の成立とか、若干「風が吹けば桶屋が儲かる」とかいわゆる「バタフライ論理」的な感じもしたが、ある意味では的を射ているのだと感じた。
また、北欧諸国に理想を見出しているようだけど、イマイチ説得感に欠けたかも。なんか、申し訳なさ程度に書いてあったし、北欧諸国の美点だけで、問題点を書いていなかったので。
経済学者のミルトン・フリードマンの名前は覚えておいた方がよい。
星4つ。
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