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読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
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国家の品格
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。

ニムにかりて読んだ本。ニム、貸してくれてありがとう。

ニムの引越し前のブログ「なむあみ」で紹介されていた。
http://yaplog.jp/namuamidabutu/archive/170
「なむあみ」では、評価は高くなかったけど、自分はとても興味深く読んだよ。
読む人によって、評価が分かれるから本って面白い。

読みやすかったので、斜め読みしないで読み終わった。
星4つ。

「論理では解決できないことがある」って、忘れがち。
仕事柄、論理的に考えることが必要とされていて、いつも論理的に思考したりプレゼンしたりする環境にドップリと使っている自分にとってはいい"気づき"だった。

論理が行き過ぎると破綻するっていうのは、筆者の説明でよく理解できた。それは、帝国主義や共産主義の説明だったり、対立する自由と平等の説明(アメリカのゴルフ場の例)だったり。

日本の古き伝統的な考えを「武士道」という言葉で表現していると思うんだけど、確かにこういう考えは現在の流れの中で軽視されている考え方だと感じている。父がこういう精神、考え方、感覚を植えつけてくれたと思うんだけど、今の自分の中ではかなり薄まってきているかな。

「本を読むことが重要である」と著者は述べている。特に若い時に名作を読むべきだと書いてあった。これには同感。今、名作というものを読んでも、感受性が低くなってきているので、名作を面白いと思えないから。学生の暇でしょうがない時に、もっと読むべきだった。

面白いのは、本のタイトルになっている「国家の品格」っていう言葉が後だしじゃんけん的に出てきたところ。冒頭の「はじめに」と最終章の7章だけでこの言葉が使われている。この部分は本の執筆が終わった後や書き終わる頃でも書けるので、「国家の品格」はマーケティング戦略にのっとった、"売れ線"狙いのタイトルなんだろう、って想像してしまった。

そもそも、「国家の品格」という言葉が曖昧。本のタイトルになっているにもかかわらず。「国家の品格」の定義がちゃんと出てくるんだろうなと読み進めたけど、どこにも出てこなかったし。「はじめに」に書いてある、日本の「情緒と形」を品格と定義しているのだろうか。後付けだから、気にして読んではいけないんだろう。

自分がこの本のタイトルをつけるとしたら、「武士道精神に学ぶ」とか「自由・平等が正しいとは限らない」とか「情緒と形の日本を取り戻そう」。かな。キャッチコピーにもなっている「画期的日本論」は、さすがに言いすぎだと思う。

200万部を突破したとあるし、話題の本なので読んでみるのをお薦めするよ。売れる理由がどこにあるかっていう目で読むのも面白い。
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東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリーのオカンに対する愛情が溢れんばかりに書かれている。だからと言って、甘ったるい文章ではなく、時に下品なユーモアを混ぜながら書かれている。だって、女性器の隠語を伏字も使わずに書いてたりするし。そんな下品な描写にニヤニヤ油断していると、不意打ち的にホロっとさせられる。

俺達世代にはピッタリの本だと思う。特に、子供を持って、親になって親の気持ちが少しでも理解できるような人にはぜひ読んでもらいたい。とはいうものの、電車の中やカフェのように周りに人がいるところでは、読まないほうがいいよ(特に後半)。朝の通勤電車内で後半を読んだけど、鼻水たれてきて恥ずかしかったから。

この本読んだら、母の料理を食べたくなった。母のことを考えると手料理をイメージしてしまう俺。
残ったそうめんやセロリ等多種多様な野菜を入れていた母の味噌汁、いつも焼きそばがセットだった母のお弁当、体にいいからといつも作っていた酢の物。こういうものが時々食べたくなる。

以前、「2005/10/11 ちょっとショックだったこと」を書いたんだけど、この年齢になって母の存在とその大きさが分かってきた。学生時代はそんなこと無かったんだけどね。どっちかというと、「いつも子供扱いされるし、口うるさいし、うざったい」と思っていたから。でも、今はそんな感情は無い。結婚して別々に暮らしていると言うのもあるし、親はいつまでたっても親であり、いつも心配してくれている存在なんだなっていうのがなんとなく分かってきたからだと思う。

「好きなものを好きと言って何が悪い。マザコンだと気持ち悪いっていう世間の風潮が気に入らない。」というようなことが書いてあった。これ、同感。

GWに実家でご飯を食べた時に会った母は、顔のシワや白髪が増えているものの元気だった。還暦は迎えているが、2日1回は近所をランニングして汗を書いているようだし、遺跡の発掘もしているようだし、知らないあいだに札幌の雪祭りに父と2人で行っているし。(借りたデジカメの中に収められていた。)さらに、5月の中旬には中国へ行くと張り切っていた。

父は「お母さん、遊び過ぎで、お金がいくらあっても足りないよ」と嘆いていたが、そんな父もどこか嬉しそうだった。
病気になって、治療費等でお金を使うくらいだったら、元気なうちに遊んでお金を使って欲しい。

バラエティに出てくるリリー・フランキーを見る目が変わってしまいそうだ。そういえば、情熱大陸のリリーの回、見逃してしまったんだよな。

星5つ。

[追記]
ニムと正反対の評価をしているのが興味深い。
本って、読む人によって全然違うね〜。
Blue Sky:東京タワー
電子納税、税制優遇を検討・政府
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060508AT3S0700B07052006.html
政府はインターネットで納税手続きをする「電子申告・納税」を普及させるため、電子申告の利用者に税制優遇策を導入する検討に入った。所得税や法人税を電子納税する場合、税金から一定額を差し引く税額控除などが優遇策の候補になる見通し。

とうとうやりますか〜。

「電子申告や電子納税を広く普及するために、何をすればいいですかね〜」なんていうのを、お客さんとブレスト(というか、雑談)でしたことがある。
「ポイントを貯めて、海外旅行プレゼント」「確定申告PRの芸能人に会える」という冗談の中に「納税額を低くすればいいんじゃないでしょうか」というのを話した。

その時はまさか現実的な話ではないと思ったけど、検討するようになるとはね〜。
税額控除の見通しとあるけど、はてさてどうなることやら。

今後の展開に興味深々。
生協の白石さん

想像以上に面白かった。

書籍だけにしかない白石さんのインタビューというか、独白というか、そういうのも楽しめまた。

何事にも回答を出そうという姿勢に感服。
たとえば。

Q.「リュウとケンはどっちが強いんですか?」という質問には、以下の回答。
A.「リュウとケンとは、この場合、誰のことを指すのでしょう?
(漫画のキャラクターか何かですか・・・?)
推測の域は出ませんが、竜雷太と松平健の場合、
全盛期ならおそらく竜雷太の方が腕力は上だと思われます。(白石)」

それ以外にも、くだらない質問にも丁寧に回答。

素晴らしいのは、「受容」→「共感」→「提案」の流れ。
どんな質問もあるがままに受け入れて、それを相手の気持ちになって理解し、商品やサービスなどを提案していくという流れ。営業マンならずとも技術職でも使える普遍的なものを示唆しているんじゃないかな。

Q.「車欲しいです、売ってください。(矢澤博之)」
A.「ご要望ありがとうございます。
自動車の売買について、生協は取扱しておりません。
ご参考までに、
当店にて「クルマ選びの決定版最新マイカー選び」という本を
販売しておりますので、ご検討の一助となれば幸いです。」(白石)」

上の質問と回答は、「受容」→「共感」→「提案」の流れとは違うけど、できないことはできないとハッキリ言った後に、最後は提案に結び付けているところが素晴らしい!

単なるネタ本というよりは、耳の痛い顧客からの苦情をビジネスに変えるというようなヒントがいっぱい詰まっていると思う。

星4つ。
超バカの壁
「今の日本社会には、明らかに問題がある。どんな問題があるか。私はものの考え方、見方だと思っている。そこがなんだか、変なのである」――フリーター、ニート、「自分探し」、テロとの戦い、少子化、靖国参拝、心の傷、男と女、生きがいの喪失等々、現代人の抱える様々な問題の根本が見えてくる。「バカの壁」を超える方法、考え方は自分の頭で生み出す。そのためのヒントが詰まった養老孟司の新潮新書第三弾。


著者のベストセラー、「バカの壁」は読了している。当時、売れに売れていてそんなに面白いのかと思って期待したんだけど、全く自分に合わなかった本だったというのが印象に残っている。
そんな著者の「壁」シリーズ、「バカの壁」「死の壁」に次ぐ第3弾がこの「超バカの壁」。

期待してなかったのが影響したのか?思った以上に面白かった。星4つ。

筆者と同じ意見の箇所もあったし、異なる意見でそういう考えもあるねと思わせる箇所もあった。

同じ意見だったのは、「一元論は考え方が偏る」というもの。自分は「相対的に物事を捉えた方がいい」という考えなので、ほとんど同じ意見。概念的な話だけど、100%の絶対的なものって無いと思うし、あったとしても疑わしい。AとB、どっちも良い所と悪い所があるけど、どっちかっていうとAの方がいいね。とか、どっちかっていうとAの方が悪くならない感じがするとか。絶対Aが良い!なんてありえないと思う。

こんな考えもあるんだと思ったのは、憲法9条改正のくだり。自分の考えは、世界を構成する一員である日本は武力を持った方が良くて、それを憲法という文章で世界にアピールした方が良い。だから憲法9条も変えたほうが良いという考え。
筆者は違っていて、憲法9条はそのままがいいという考え。戦争なんて後ろめたい行為を認識するためにも、武力は保持しないという9条はそのままにしておく。だから、自衛隊をどこかの国に派遣するときにも、議会で揉めたりして、「今から後ろめたい行為を遂行するんです。すいません」的に認識させたほうが良いと考えている。

読みやすい。
90分あれば読めるので、電車内が手持ち無沙汰と言うときにぜひどうぞ。
チーム・バチスタの栄光
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。

久しぶりに面白い小説を読んだ。星5つ。
このミステリーがすごい1位に輝いただけはある。

とにかく、登場人物が魅力的。
前半はどんどんと謎が深まっていく。なんとなく、みんなが怪しく感じられる。

そして、中盤から白鳥というキャラが登場するんだけど、ここからさらにグイグイと物語に引き込まれた。
奥田作品に出てくる精神科医の伊良部のキャラのように、人を不愉快にさせるかと思いきや、その行動に意図があり、目的を果たしていく。


振り返って、今年に入ってから読んだ長編小説で星5つは「砂漠」だけ。伊坂はちょっと苦手という人には、この本を薦めたい。

純粋に楽しめるエンターテイメント作品。

p.s.
若干、登場人部やバチスタという設定から、ドラマにもなっている「医龍」とダブってしまったんだけど、全く関係なかった。
中田(英)のインタビューが面白かった。
わかりやすく自分のこと説明していたのが面白かった。

リラックスしていたのか、テレビカメラの前でこんなに喋るんだ。

以前は自分のことを卑下するような言い方はしなかったと思うんだけど、それに似たような表現もしていた。例えば、試合に出れないから試合勘は衰えないかという質問に、自分の試合に出ていない状況から話していた。「戦術的な面もありますが、ボクにも良くないことがあったかもしれないですし・・・」とか。

中盤の前の位置でプレーするのが好きだけど、日本代表として効果があるのはボランチでプレーすることだっていうのを、言葉足らずになり過ぎず、過剰表現にもなりすぎず、適切な分量で話していたと思う。

違う番組で小野のインタビューをやってたのを観た。
小野と中田はドイツワールドカップに向けて同じことを言っていた。

それは「自分が楽しむ」ってこと。

ワールドカップまで40日を切った。
楽しみだ。
さいえんす?
人気作家の最新エッセイ集、文庫オリジナルで登場!
「科学技術はミステリを変えたか?」「男と女の"パーソナルゾーン"の違い」「数学を勉強する理由」……元エンジニアの理系作家が語る、科学に関するあれやこれや。人気作家の最新エッセイ集が文庫オリジナルで登場!


気軽に読めるエッセー集。
著書に「あの頃ぼくらはアホでした」というエッセー集があるんだけど、それは面白可笑しく書いてある。そして、久しぶりに読んだこのエッセーはかなり真面目に書いてある。

「数学はなんのため?」や「ハイテクの壁はハイテクで破られる」や「少子化対策」や団塊の世代の引退を書いた「どうなっていくんだろう?」のタイトルの話が面白かった。

上に挙げた「数学はなんのため?」では、同じような感覚を持っている。
前にも書いたけど、数学好きなんだよね。世間が数学嫌いって言っていて、数学が好きだって言う人を変人的な目で見るのは俺もどうかと思う。

なぜ、数学を学ばなければいけないのかという問いに、理系出身の筆者の答えが書いてある。問題解決の道具を知っておくことは、重要だというのは俺も同意見。

ニムが書いていた、図書館やブックオフに関する著作権についても書かれていたよ。
なるほど、これに言及していたんだね。

1つのエッセーが5〜6ページと読みやすく、ちょっと空いた時間にも読める。
お勧め。星4つ。
偽善者ゴーリキなので。

ブッシュ大統領が拉致被害者と会談して、拉致問題の解決を図ると約束した。
世界のリーダーであるアメリカのトップが約束してくれた。お墨つきだろう。

なんとなく、解決に向けて一気に動き出しそうな気配。

核問題で北朝鮮を敵国とみなした。でも、これだけじゃ弱いとみたブッシュ。
さらに人道的な問題として、拉致問題をひっぱりだしてきた。

アメリカの描くストーリーとしては、拉致問題を解決する代わりに、牛肉の輸入を再開しろといった感じか。
古畑任三郎も言ってたよ。
「2回続けば、偶然とは言えません」って。

ホリエモン保釈と姉歯逮捕。
同日に2つのイベントが発生。

意図的なのか、偶然なのか。

思い起こしてみると、ライブドアの家宅捜索の時は、耐震偽装関連で証人喚問が行われたんだよね。
意図的にする目的はわからんけど、どーも偽善者のゴーリキはこういうのがひっかかるワケですよ。
http://www.people.ne.jp/2006/04/23/jp20060423_59193.html
日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島(トクト))周辺の排他的経済水域(EEZ)での日本の測量調査をめぐる日韓外務次官会談は22日、韓国が6月の国際会議で海底地名の変更提案を行わない一方、日本側も調査を中止することで合意した。日本が再開を提案した竹島付近のEEZ境界線画定交渉も5月中にも局長レベルで行うことにした。日本が調査を強行すれば拿捕(だほ)も辞さないとしてきた韓国側との衝突は当面、回避される。

「海洋調査?やっちゃえばいいじゃん。」なんて思ってた。
結果としては、海洋調査は中止になった。

雑感。

この合意、日本と韓国のどちらの国が勝ったのか?と考えてみた。
今回は、日本が勝ったと思う。

理由は以下。

理由1:韓国の目的「日本海海底地名に韓国名をつけること」の提案を阻止できた

韓国は日本海海底地名に韓国名をつけることだったんだけど、日本の目的はそれを阻止すること。
今回の合意で日本はその目的を達することができた。


理由2:交渉余地があることを韓国が見せた
調査するなら、拿捕も辞さないぐらいの勢いだったのに、結局は合意しちゃった韓国。
そういう交渉出来る余地のあるところを見せた韓国の負け。

合意しなかった場合に想定されるケースは、交渉決裂→日本の調査実施→韓国が日本船を拿捕→国際問題発展→(最悪は戦争)だと思う。けど、韓国も「韓国国民にポーズとして示している日本への強行姿勢を考えると、これ以上長引かせた場合、日本の船を捕まえるしかなくなる。それはやばいんじゃないの?国際問題に発展すると、ちょっと旗色悪いな」と考えたと思う。そんな考えを覗かせた時点で韓国は負けなんじゃないかな。

この合意によって、韓国はそもそも日本船を拿捕するつもりもないし、内政を考慮した強行姿勢っていうのが見えたっていうのも副次的な日本のメリットだと思う。

ゴーリキはこんな風に捉えている。
朝テレビをつけるとこの話題で盛りだくさん。

テレビで放送されるのは、衝撃的な映像が選ばれているのはわかる。
とはいうものの、衝撃的な映像が多い。

竹島(韓国で言う独島)が韓国のものだと言って、自分の体に火をつける韓国男性。

どんだけ?

愛国心を否定するものではない。けど、なんか「盲目的過ぎやしませんか?」と思う。

韓国人がそんな人ばかりではないと思うけど、放送されるのはそういう愛国心に溢れた人が多い。

韓国は竹島への観光旅行が可能なようで、竹島に来た韓国人女性が韓国の旗を岸壁に立てていた。

そういえば、この前のワールドベースボールクラシックでも、日本を破った韓国の選手がピッチャーマウンドに韓国の旗を立てていたっけ。


竹島。
自分は日本も韓国も自国の領土だと主張している島だと認識している。
しかし、韓国側が一方的に「李承晩ライン」を設定して、自分の国だと囲い込んだ。その後、さらに一方的に武装警察、砲台なんかを設置し、観光スポットにして、独島切手を発行して、高官が訪れたりして、いまにいたる。

領有権で対立している地域に対して、こんな一方的なやり方って無しなんじゃないの?
国際的にそういうのは許されるの?

誰か教えてちょ。

韓国の大統領も、「靖国参拝が気に入らないから、日本の首相とは会わない」なんて言ってないで、話をしようよ。話さなきゃ始まらないでしょ。

あ、日本はちゃんと測量するべきだと思う。
アンボス・ムンドス
人生で一度の思い出にキューバに旅立った若い女教師と不倫相手の教頭を帰国後待っていたのは生徒の死と非難の嵐だった。煌く7篇

この著者の作品を読むのはOUTから数えて2作目にあたる。

自分が小説に求めるものって、後読の気持ちよさがメインだったりする。爽快感とか、ミステリーのトリックの「やられた感」とか。

けど、この著者にはそういうものを求めてはいけないんだろう。
OUTもそうだったんだけど、醜さだとか、嫌らしさだとか、汚さとか、悪意みたいなもののオンパレード。特にこのアンボス・ムンドスは女性が主人公の短編集なので、女性のそういう「負」の部分がリアルに描かれている。

7編からなっている短編集で、最初の編を読み終わる頃には、落ち込む感じになってしまった。
けど、そういう「負」の部分に興味を覚えるのか、それとも次の編はハッピーエンドに終わるかもと期待してしまうのか、どちらの感情かわからないけれど、結局最後の編まで読み終えてしまった。

好きなタイプの小説ではないんだけど、面白かった。
たまに気分を変えて、この人の本を読むのもいいかもしれない。

星4つ。
お茶のあるくらし―日本茶・紅茶・中国茶の楽しみかた
お茶のうんちくでも仕入れるかと思って手にとった本。

お茶のうんちくというと、沢木耕太郎の深夜特急を思い出す。
香港からロンドンまで旅する中で、お茶を楽しんでいた彼。
その中で、お茶を「チャ」や「チャイ」と発音する文化圏と「テ」や「ティー」と発音する文化圏について考察していた。
そういうのが楽しめるかと思って、読んだ。

そこそこ楽しめたけど、他人に披露したくなるようなうんちくには出会えなかった。
残念。

この本の中身は3本立て。日本茶、紅茶、中国茶の3つ。
面白かったのは中国茶のところ。
お茶の種類、入れ方もよかったけど、何よりウーロン茶の薀蓄が面白かった。

ウーロン茶の広まりは福建省と華僑がキーワードのようだ。
タイゾーの3日坊主から。
http://sugimurataizo.net/2006/04/post_216.html

俺もタイゾーと一緒。高校生に戻れるなら、もっと数学やりたい。
語学の授業が多かったのは、外国語科という学科を選んだ宿命だからしょうがないけど、もっと数学を真剣にやりたいところだ。

数学検定なんてあるんだ。
初めて知ったよ。

数学って、いろいろな考え方ができるけど、たどり着く答えが一つっていうところが好きなんだよ。
みんなが試験前に数学の勉強で苦しんでるのを見て、「どうして、こんなに面白いのに苦痛なんだろう?」と思ってたものだ。

逆に苦手というか、嫌いだったのは国語の授業だった。現代文、古文、漢文の全てが嫌だった。

教えてくれる先生の授業の仕方が、自分に合わなかったというのが大きな理由なんだと思う。

小説が教材の時は特に憂鬱だった。

「この時の主人公の気持ちは?」って聞かれても、知らねーっつーの。

主人公の気持ちを答えたとしても、「そういう考えもあるわね。はい、うしろ」と言ってその先生が用意した答えに辿り着くまで、永遠に生徒を指し続ける。

もう、げんなり。萎えますよ。

主人公の気持ちを理解しようというプロセスは大事だと思う。けど、主人公の気持ちを理解できることなんてありえないでしょ。リアルな世界において自分自身のことだって理解できないのに、いわんや他人をや。(←反語)さらに、文章に登場する人物の気持ちなんて理解できるわけないじゃん。

な〜んて、思ってた。

中間や期末のテスト勉強のメインは、国語の教材の先生向けテキストを丸暗記だった。それで良い点とれるんだから、楽なもんですよ。

救われたと思ったのは、浪人時代に予備校通ってから。
もちろん、受験に合格するための授業だったんだけど、小説の読み方や論文の読み方を論理的に教えてくれた。国語は高校時代の3年間よりも予備校に通ったいた1年間の方が充実していた。

今になって思うと、高校時代の国語は反面教師として感謝している。
こうやれば国語を嫌いになれるという、良い反面教師的メソッドを提示してくれたと思う。

今、こうやって本を読み漁っているのも、こんな反面教師的なところが影響しているのかもしれないなー。

あたりまえだけどなかなかできない説明のルール
交渉・プレゼン…などなど。説明の仕方を変えれば仕事ができるようになる!なぜ伝わらないの?という悩みはこれでズバッと解決!相手と良好な関係を保ち、円滑なコミュニケーションを築くための本。

良い「気づき」を与えてくれた。たとえ話も身近に感じることができて、すんなりと頭に入ってきた。
説明責任がさらに重くなってきて、打ち合わせ軽口がなかなかいえなくなってくるような中堅社員的な立場の自分達が初心に戻って読める本だと思う。

以下、良かったと感じた記述。

p.78 今までと何が違うかアピールしよう
「ここまでが〜でした。ここからが今回の話になります。」

p.80 表現を具体化する。
「もう少しまけてくれたら買います」→「あと5%まけてくれたら買います」

p.82 Yes,Noで答えられる質問で締めくくろう
クロージングの時は、確認を明確にするためにYes,Noで答えられる質問を使う。オープンクエスチョンはNG

p.87 手伝って欲しいことを明確にする
↓は自分の考えを見事文章化してくれた。
『途中で助けを求めるのは、約束の時に「できないこと」を約束したあなたの失点です。それを挽回するには、次の約束を守ることしかありません。相手が知りたいのは、能力として「できる」か「できない」かではなく、約束を「守る」か「守らないか」しかないのです。』

p.91 宿題を自分から提案する
自然とやっていたかも。
嫌な宿題を引き受ける前に、自分から自分のできる宿題を率先して引き受ける。これはテクニックとして認識して、これからは意識して使っていこう。

p.97 先に自分から話して主導権を握る
これは意識してやっていこうと思う。打ち合わせでも自分から話を振ったり、論点を自分の得意分野に持っていくこともできそうだ。
議論の上手い人はこのアジェンダセッティングが上手らしい。

p.111 プレゼンは言葉だけない
著者の経験が面白かった。
海外留学での話。レポートの提出を求められた学生は、様々な方法でレポートを提出した。たとえば、模型を作ったり、ビデオを作ったり、CD-Rにデータをまとめたり。A4の紙だけがレポートではない。
人に何かを伝えるのには色々な方法があるってこと、だろう。
仕事でプレゼンっていうと、パワーポイントがすぐに思い浮かぶけど、音楽で表現するっていうのもいいかも。
くよくよしない人の頭のいい習慣術―人は心配するようにできている
本書では、「生き方名人」モタさんが、人生を健やかに生きるためのコツを、具体的に、やさしく教えてくれます。元気が出る工夫、プラスの考え方、逆転の発想法……前向きになるための"スイッチ"がたくさん見つかります!

最近、この手の本ばかり読んでる気がする。

過去は認めて、未来を考える。心配して当然。良い心配をしようというのがメッセージだと感じた。

この本で引用されてた「楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しいんだ」っていうのは一理あるな。楽しくなくても、声に出して笑っていたほうがいいと思う。つまらない時や、嫌だなと感じた時も笑うようにしよう。

→目標:つまらない時や嫌だなと感じた時は意識して笑う。
こころのエンジンに火をつける 魔法の質問
コーチング部門で発行部数ナンバーワンの人気メルマガ「魔法の質問」を発行する著者が発する55の質問。「いつ?」「どこ?」「なに?」に答えるうちに、自分のやりたいことがはっきりと見えてきます。あなたの決意に火をつける質問がぎっしりと詰まった本書を片手に、人生を一歩前に進めてみませんか?

シンプルな問いなんだけど、シンプルなだけに心に響く。
なんとなく行き詰ってるなとか、ちょっと落ち込んだ時に読むと元気がでると思う。

気になったページとその内容を以下に列挙。

p.50 ストレスサインに気づく
p.62 お金を払ってでもしたいこと
p.80 やらないことを決める
p.84 あきらめる理由はない
p.110 1行の文章にまとめる

p.50の「ストレスサインに気づく」を自分なりに考えてみた。

自分の調子を測る物差しというのがある。肉体的、精神的にストレスが溜まってきたというようなサインみたいなもの。
自分の状態って、自分で理解しているつもりでも、意外とそうでなかったりするんだよね。気づいていないんだけど、実はものすごく疲れていたり、ストレスが溜まっていたりとか。

ヤバイなという兆候はこんな感じ。

軽度
就業時間中、チョコレートを無性に食べ始める。
昼食後や夕食後に甘い菓子パンを食べる。
電車の中で本を読みたくなくなる。

こんな症状がでたら、仕事中でも外に出て散歩したり、チョコレートを食べ過ぎない程度に食べることでストレスを回避できる。

中度
電車の中で雑誌を読みたくなくなる。
→本を読むのが精神的に重いと感じると、雑誌(AERA,Number,SPA等)を読むようになるんだけど、それすら読みたくなくなる。
気がつくと、2週間ぐらい本屋に行っていない。
→これも心の余裕を測る物差しになっている。
ブログの更新頻度が落ちる。
→必要と感じない情報を無意識に排除するからだと思う。

重度
コーヒーを不味く感じる。
→コーヒーもそうだけど、味噌汁も不味く感じるとかなりやばい。風邪ひいたりすると、変な味覚が異様に敏感になってしまって、ちょっとしたものに過剰拒否反応する場合がある。
電車の中で音楽を聴きたくなくなる。
→これ、かなり重症。好きな音楽なのに、煩わしく感じてしまう。
ダンスのレッスンに行くのが億劫になる。
→これもかなり重症。レッスンに行くのが億劫に感じるとかなりやばい。

自分の状態を把握して、症状が軽いうちに自分をケアするのが必要だと思う。
ストレスを感じない人なんていないと思うので、どうやってそのストレスとうまく付き合うかっていうのが大事なんじゃないか、なんて偉そうに思ったり。

あと、p.84の「あきらめる理由はない」も良かったな。
あきらめそうになる気持ちはあるんだけど、よく考えてみるとあきらめる理由は無いことが多いってやつ。イチローの言葉からの問いかけだそうだ。

星4つ。
金融庁 アイフルに業務停止命令

金融庁はアイフルに対して、違法な取り立てを行ったということで業務停止命令を出した。

違法な取り立てって何よ?って思って簡単に調べると、夜間、勤務先、第三者への弁済請求が違法とされているみたい。

消費者金融とはいいながらも、サラ金はサラ金、街金は街金。
違法な取り立ては厳しく取り締まるべきだと思うし、金融庁の対応も厳しいなぁとは思いながらも、他の消費者金融への「見せしめ」という意味からも妥当だと思う。


それでも、契約書なんかに同意してお金を借りておいて、返さない側も悪いんじゃないかとは思うんだけど。


話は変わるけど、何かを調べようと思うとWikipediaで調べることが多くなった。
Web2.0って意識すると面白い。

Wikipedia:消費者金融
the TEAM
人気霊能者の陰で〈彼ら〉が大活躍!?
盲目で難聴の人気霊導師、能城あや子。百発百中の"霊視"を支えるのは、彼女の仲間たちだった。過去の事件の真相や、不思議な現象の真実を次から次へと暴き出す! 極上ユーモアミステリ集。


こういう設定好きだな。"やらせ"的な霊視をなりたたせるために、色々と情報を集めていくスキルの高い仲間達。
キャラクタの描き方はもうひと声欲しいところだけど、軽く読むには十分。

まったく期待せずに手に取った本。予想以上に面白かった。
各編ごとにちゃんとしたオチもついているしね。

星3つ。
きいろいゾウ
夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う若夫婦が、九州の片田舎にやってきたところ
から物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、百足、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった。ひとり残されたツマは、幽霊に出会い、家のそばにある裏山のなかへと進んでいった。そこで彼女は、あるものに遭遇する。


著者の「さくら」を読んで面白かったので、手に取った本。

う〜ん。第1章(95ページ)を読んだんだけど、合わなかった。
amazonの粗筋を読むとここから面白くなるのかもしれないけど、このまま淡々とした雰囲気で進むような気がして。

1章で断念。

星1つです。
小さな会社★NO.1のルール ランチェスター経営1位作りの成功戦略
人はなぜあの会社やあの店に集まるのか。儲けている会社は何が違うのか。
小さな会社でも圧倒的に利益を出している会社がある。それは「商品やサービス」「業界・客層」「地域」「営業」「顧客維持」という特定の分野で、他の会社の追随を許さないNO.1の市場を持っているからだ。
では、あなたの会社は1位の市場を築けるのか……。
実はどの会社も1位の分野を持っている。ただそれに気づかないだけだ。どうすれば1位のものを見つけられるのか。本書の事例に登場する成功企業も1位を見つけ出してからは、圧倒的に儲けている。1位になったとき、あなたの会社の「儲けの仕組み」は変わっているはずだ。


No.1を目指すことが重要で、No.1になるためにはどうすればいいのかというのが分かりやすく書いてある。

いわゆる「オンリー1戦略」ってやつなのかな。マーケティングを専門に勉強したわけではないけど、基本的な考え方。特に目新しい考えでは無い。
この本が優れているのは、オンリー1の戦略をとるためにどのような手順を踏めばいいかというのを提案していることだろう。
手順も具体的なので、営業職をしている人にはヒントになることも多いと思うよ。

1時間ぐらいで読めると思う。
星3つ。
ガール
30代。OL。文句ある?
さ、いっちょ真面目に働きますか。
キュートで強い、肚(はら)の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。
<こんなお心あたりのある方に、よく効きます。>
●職場でナメられてる、と感じた
●親に結婚を急かされた
●若い後輩の肌つやに見とれた
●仕事で思わずたんかをきった
●ひとめぼれをした
●子どもの寝顔を見て、頑張ろうと思った
きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。

こういうの好き。30代の働く女性(ガール)を描いた短編集。

自分は「まだまだ若い」と思っているつもりでも、周囲からはそんな風には見られない。会社での立ち位置も若手から中堅にシフトしているし、結婚、出産、などライフステージもだんだん変化していく。

登場する主人公の女性達は様々。管理職に抜擢された結婚子無し女性、マンション購入に興味を持ち始める女性、営業職に復帰したバツイチ子供あり女性など等。

好きなのはマンション購入に興味を持ち始める女性を描いた「マンション」という編。「会社なんていつでもやめてやる」と思っている女性が、友人の出来事を機にマンション購入に興味を持ち始める。今まで、他の部署と喧嘩してたのに、マンション購入後のローンなどを考え初め、したことなかった節約をしたり、会社では必要以上に他者との関係に気を揉んで波風立てないようにしたりして、だんだんと丸くなっていく主人公。人生の優先順位は何なのか、マンション?結婚?プライド?

読むと元気になる。自分達の世代が読むにはピッタリの本だと思う。男の自分が読んでも元気がでる。
読みやすいので、1つの編は20分ぐらいで読めると思う。この本はお勧め。
靖国問題入門
今や避けて通れない靖国問題。戦争被害者のアジアから見た立場で、この問題に真摯に取り組む入門書。政教分離の民主国家にあって、ひとつの宗教組織に戦死者の鎮魂が託されることの是非などを正しく問う。高橋哲哉対談など。

表紙には「首相の公式参拝を批判する入門書」と書いてあった。

わかりやすく論理的に批判していることを期待していたのだが、この期待は見事に裏切られた。

この本は複数の人の書いたものを持ち寄ったもの。
そのせいかわからないけど、それぞれ自分の言いたい事を書き殴っているという印象が強い。

自分は、首相の靖国参拝がいけないと主張するその考えを理解したかった。だから、この本を読もうと思ったんだよねー。だけど、その公式参拝の何が問題なのか、どうしていけないのか、どうするべきなのか、論理的に書かれているものは無かった。

まぁ、正確に言えば斜め読みしただけ。見出しと各段落の最初の一文を読んで、内容を把握したつもりになっているので、隅から隅まで細かく読めば理解できるのかもしれない。けど、書き殴っている印象は最後まで拭いきれなかった。誰かに理解してもらおうって書いているような文章も無かったし。人によってだけど、いきなり抽象的な話からはじめる人もいたしね。いきなり「共同体ノスタルジアとナショナリズム」って言われても、わかんねーよ。

各人に割り当てられたページ数が少ないからというのもあるからなんだろう。「靖国参拝けしからん!」っていうのを全ての人が同じようなことを書いて、いざ「じゃあ、なぜけしからんのか」に展開されるかと思いきや、そこで割り当てられたページが終了。

星1つ。
ITエンジニアのための【論理思考】がわかる本
本書では、海外でSEとして働いた経験も持つ著者が、ロジカルコミュニケーションの重要さを説明し、代表的な方法(ツール)の内容や使い方を紹介しています。また、各方法を目的別(整理、会議運営、問題解決など)に分けて説明しており、ITエンジニアの方々にとって興味を持って読み進められる内容となっています。論理思考がしっかりと身につけば、ビジネスコミュニケーション力が上がることはもちろん、仕事上での問題整理にも大変役立ちます。


よくある、論理的思考能力を身につけようという本。
演習問題があって、それをちゃんとやれば少しは論理的思考が身につくんだと思う。

「ITエンジニアのための」って書いてあるのは、演習問題がコンピュータやシステム開発に関連するものを題材にしているからかな。

amazonから転載した紹介文に「論理的思考がしっかりと身につけば、ビジネスコミュニケーション力が上がる」ってある。論理的な考え方をすることと、ビジネスとはいえ人とコミュニケーションを円滑に保つのは別のスキルだと思うんだけど。

星2つ。
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