読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
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日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。
ニムにかりて読んだ本。ニム、貸してくれてありがとう。
ニムの引越し前のブログ「なむあみ」で紹介されていた。
http://yaplog.jp/namuamidabutu/archive/170
「なむあみ」では、評価は高くなかったけど、自分はとても興味深く読んだよ。
読む人によって、評価が分かれるから本って面白い。
読みやすかったので、斜め読みしないで読み終わった。
星4つ。
「論理では解決できないことがある」って、忘れがち。
仕事柄、論理的に考えることが必要とされていて、いつも論理的に思考したりプレゼンしたりする環境にドップリと使っている自分にとってはいい"気づき"だった。
論理が行き過ぎると破綻するっていうのは、筆者の説明でよく理解できた。それは、帝国主義や共産主義の説明だったり、対立する自由と平等の説明(アメリカのゴルフ場の例)だったり。
日本の古き伝統的な考えを「武士道」という言葉で表現していると思うんだけど、確かにこういう考えは現在の流れの中で軽視されている考え方だと感じている。父がこういう精神、考え方、感覚を植えつけてくれたと思うんだけど、今の自分の中ではかなり薄まってきているかな。
「本を読むことが重要である」と著者は述べている。特に若い時に名作を読むべきだと書いてあった。これには同感。今、名作というものを読んでも、感受性が低くなってきているので、名作を面白いと思えないから。学生の暇でしょうがない時に、もっと読むべきだった。
面白いのは、本のタイトルになっている「国家の品格」っていう言葉が後だしじゃんけん的に出てきたところ。冒頭の「はじめに」と最終章の7章だけでこの言葉が使われている。この部分は本の執筆が終わった後や書き終わる頃でも書けるので、「国家の品格」はマーケティング戦略にのっとった、"売れ線"狙いのタイトルなんだろう、って想像してしまった。
そもそも、「国家の品格」という言葉が曖昧。本のタイトルになっているにもかかわらず。「国家の品格」の定義がちゃんと出てくるんだろうなと読み進めたけど、どこにも出てこなかったし。「はじめに」に書いてある、日本の「情緒と形」を品格と定義しているのだろうか。後付けだから、気にして読んではいけないんだろう。
自分がこの本のタイトルをつけるとしたら、「武士道精神に学ぶ」とか「自由・平等が正しいとは限らない」とか「情緒と形の日本を取り戻そう」。かな。キャッチコピーにもなっている「画期的日本論」は、さすがに言いすぎだと思う。
200万部を突破したとあるし、話題の本なので読んでみるのをお薦めするよ。売れる理由がどこにあるかっていう目で読むのも面白い。
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