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アンボス・ムンドス
人生で一度の思い出にキューバに旅立った若い女教師と不倫相手の教頭を帰国後待っていたのは生徒の死と非難の嵐だった。煌く7篇

この著者の作品を読むのはOUTから数えて2作目にあたる。

自分が小説に求めるものって、後読の気持ちよさがメインだったりする。爽快感とか、ミステリーのトリックの「やられた感」とか。

けど、この著者にはそういうものを求めてはいけないんだろう。
OUTもそうだったんだけど、醜さだとか、嫌らしさだとか、汚さとか、悪意みたいなもののオンパレード。特にこのアンボス・ムンドスは女性が主人公の短編集なので、女性のそういう「負」の部分がリアルに描かれている。

7編からなっている短編集で、最初の編を読み終わる頃には、落ち込む感じになってしまった。
けど、そういう「負」の部分に興味を覚えるのか、それとも次の編はハッピーエンドに終わるかもと期待してしまうのか、どちらの感情かわからないけれど、結局最後の編まで読み終えてしまった。

好きなタイプの小説ではないんだけど、面白かった。
たまに気分を変えて、この人の本を読むのもいいかもしれない。

星4つ。
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