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読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
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安部 公房の作品を読むのは、これがはじめて。

まず、設定が面白い。この作家には「不条理」という表現が使われるけど、ほんとその言葉がぴったりくる。

昆虫採集に出かけた男が、砂の穴の底に埋もれている一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。

ありえないシチュエーションでの、男の心理の変化していく様がとてもリアルで気持ち悪く描かれている。

全体的に暗いので、5つ星にはならずに星は4つ。

心理描写はほんとすごいよ。芥川龍之介的な感じがした。


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 死者が現われる土地――V.ファーで起こる連続殺人、そして「ヒガン」という不可思議な儀式。東洋と西洋、過去と現在、生と死、あらゆる境界線が揺らぐ世界観を、いまだかつてないスケールで描き、ミステリーとファンタジーの融合を果たした恩田陸の最高傑作! 本屋大賞&吉川英治新人文学賞W受賞『夜のピクニック』、直木賞候補作『ユージニア』につづき、さらなる新境地に挑んだ渾身の1600枚
話題になっているということで、手に取った本。

嫌な予感はしていたんだ。見事にその予感は的中した。

この前に読んだ彼の著書「夜のピクニック」は期待はずれだった。
そして今回読んだのは、ミステリーとファンタジーの融合という触れ込みだった。ファンタジーという単語で読むのは止めておけばよかったのかもしれない。

「ハリーポッター 賢者の石」は読んだことがある。けど、あのファンタジーの世界についていけなくて途中で断念した。今回読んだ「ネクロポリス」もそれと同じで、ファンタジーの世界にどうしてもついていけなかった。

146ページで断念。

やたらと片仮名が多いんだもん。アナザーヒルだとか、ヒガン(多分、彼岸のこと)だとか。
名前も全て片仮名だった。ジュンイチ、ハナ、マリコ。
いいじゃん。日本語で書けば。読みにくいんだよ。
文中に出てくるセリフ回しも、なんか洋書の翻訳みたいで気持ち悪かった。

恩田陸という作者は自分に合わないのかもしれない。
もう1作読んでみてから判断しようかな。

amazonの評価はとても高いので、気になる方はぜひとも読んでみて。

数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか

ニムが本屋で購入したので借りて読んだ。

実は、この作品「容疑者Xの献身」は図書館に予約を入れていた。
しかも予約したのは2005/10/09。4ヶ月たっても未だに順番がまわってこなかった。地元の図書館でもかなりの人気ぶりがうかがえる。

相変わらずページをめくらせる手腕はさすがで、時間を忘れて読んだ。
読み始めてのは昼休みだった。帰りの電車、家に帰ってからと隙間時間をみつけて読みふけってしまった。

ちょっとネタバレだけど、トリックは伊坂幸太郎を思わせるようなもので、やられた感が気持ちよかった。

ただ、なぜ石神が靖子と美里にあれほどの思いを寄せたのかは、イマイチ理解できなかった。もう少しこの部分を丹念に書いて欲しかったな。

感想としては面白いんだけど、星は4つ。
5つ星にならなかった理由は2つ。1つ目は先入観、2つ目はハードルの高さ。

先入観に関しては、読む前に情報をたくさん入れてしまった。
直木賞受賞だとか、このミステリーがすごい1位だとか、「犯人の深い愛と献身」というキャッチコピーだったり。想像以上にそういう情報が頭の中に入っていて、変な先入観が作られていた。

2つ目のハードルの高さっていうのは、面白いと思う基準があがるっていうこと。普通の作者なら面白いと思うのに、東野圭吾ということその判断基準があがってしまうんだよね。ファンだからそうなってしまうんだろうな。ちなみに、このハードルがあがってしまう作者は東野圭吾意外だと伊坂幸太郎と奥田英朗。

直木賞も受賞したことだし、興味のある人はぜひ一読を。

岡田准一&堤真一が出演した映画にもなっている原作。
ゾンビーズというシリーズになっていて、それぞれ漫画化もされている。
レボリューションNo3なんかも漫画で読んでいるし、このフライ、ダディ、フライも漫画で読んでいた。

活字としても読んでみようと思って手にとったわけだけど、読んでの感想は「漫画で十分だな」だった。
活字から読めば違ったったんだろうけど、漫画のイメージが強すぎた。
活字を追ってても、漫画の絵柄を思い出してしまった。

星は3つかな。

在日コリアンである「僕」の青春をポップな筆致でつづった直木賞受賞作『GO』以来、3年ぶりとなる金城一紀の長編小説。連作短編集『レヴォリューションNo.3』に登場したオチコボレ高校生集団「ザ・ゾンビーズ」が再び活躍する青春小説であるが、今回の主人公は高校生ではなく40代後半の平凡な中年男。家族の崩壊を必死に食いとめようともがく父親が、高校生の助けを借りながら目標に向かって邁進(まいしん)する姿を、軽妙なタッチで描いている。
鈴木一(はじめ)は、大手家電メーカーの子会社で経理部長をつとめるサラリーマン。学生時代に知りあった妻と、17歳になるひとり娘が唯一の自慢である。ある日、そんな鈴木のもとに、娘が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。娘を殴った相手は、ボクシングの高校生チャンピオンで、学校では品行方正で通っているという石原。復讐を決意した鈴木は、包丁を手に石原の通う高校を目指すが…。

沖縄出身でアメリカ人とのハーフの板良敷(いたらしき)、4か国分のDNAを持つアギー、ケンカ名人の朴舜臣(パク・スンシン)。差別や偏見の中でタフに生きる若者たちと平凡なサラリーマンとの対比の背後には、日本という国の歪みが見え隠れする。舜臣との奇妙な師弟関係を通じて、「彼の中の憎しみは、私が見て見ぬ振りをしているあいだに育っていったものなんだ」と悟る鈴木の姿が印象的である。ともすれば重くなりがちなテーマを、コミックを読ませるような感覚で、さらりと爽快に描ききってしまう金城の持ち味が、いかんなく発揮された作品である。(中島正敏)


警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チームは、現代の必殺仕置人らしく、また鮮やかに悪を葬り去るはずであった。しかし今回の彼らの標的は、被害者の遺族に代わって復習を果たそうとする「殺人者」であった。「症候群シリーズ」の掉尾を飾る問題作!

三部作の最後の作品らしい。知らないで、読んでしまった。

少年法とか精神薄弱によって守られる犯罪者、事件の被害者となった人間の生活はすさんでいく。
重いテーマだけど、スラスラと読める。
そして、このトリックは面白かった。これには気持ちよく騙された。活字でしか表現できないトリックだね。

とはいうものの、ちょっと物足りなかった。
キャラクターの似たような人が多かったので、ラスト近くになってもこれ誰だっけ?ってページを戻したりした。

星3つ。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060126STXKE016326012006.html

フジテレビはライブドア株を12.75%保有しており、言わずとも知れたライブドアの大株主だ。

なんかフジテレビって余裕過ぎない?
あの日枝会長の余裕っぷりが、いやらしい。
露骨に顔に出るタイプだから、ほんとはもっと困った顔してなきゃいけないと思うんだけど、そうじゃないんだよな。

あらゆる企業がライブドアとの提携を解消していく中で、「支援も選択肢の一つ」っていうのがねぇ。ひっかかるんだよねぇ。

あらかじめ、こうなる状況を察知していたような感じがする。
うがった言い方をすると、この一連の騒動のキッカケを提供したのがフジテレビなんじゃないかな。
株価が下がりきったところで、フジテレビが「支援」という名のもとにライブドアを買収するという筋書きはいかがでしょ?
昨日観たテレビのインタビューだと、日枝会長はライブドアの買収を否定していたけど、それも怪しいんだよなぁ。
参考にしているこのブログではライブドアの買収は無いと予想しているけど、
(参考:http://chou.seesaa.net/article/12337563.html)この日枝会長の余裕がねぇ。

妄想を膨らませ過ぎかな。
様々なニュースをみたり読んだりして、頭の中が整理されてきたので、自分の考えを整理してみる。
まだ曖昧だし、あやふやな部分もある現時点の考えなので、後々この考えは変わる可能性が大きい。
なんか頭の中のものを外に出さないと、頭の中が整理できないので書いただけ。

「虚業」「錬金術」だなんて言われているライブドアの経営戦略は、自分は「アリ」だと思う。ライブドアはM&Aありきで自社の企業価値を高め、高まった企業価値を元にさらにM&Aを繰り返すというの経営戦略をとった。他の一般的な企業が行っているように他に無いような優れたサービスを提供しその対価を求めることによって企業価値を高めるというような事業を行わず、マネーゲーム的に企業を安く買って高く売ることで企業価値を高めるという手法が「虚業」と呼ばれる所以だろう。

勉強不足なのだと思うけど、テレビや新聞で糾弾されているようにその戦略がいけないことだとはまだ理解できていない。
株主のためにという大義名分を掲げて、ものすごいスピードで企業価値を高めていったのは事実だし、それである程度の成功をおさめたのも事実だから。

1対100の株式分割であるとか、時間外取引について、問題だと言われている。
けど、これについてはルールを熟知し、そのルールを活用したライブドアは間違っていないと思うし、どこが問題なのか自分には理解できない。
ルールを最大限有効活用することの何がいけないのだろうか?
まやかしの企業価値だから、市場の健全性を保たれないというのが理由なのだろうか。それなら「市場の健全性」って何なんだろう?その言葉自体、曖昧な言葉だと思う。

もちろん疑惑の対象になっている粉飾決算等が事実ならば、明らかなルール違反だし、厳重に罰っせられる必要があると思う。(残念ながら、粉飾決算というのは事実だろうけど)
つたない勉強の記憶だと、株式によってお金を集めるということは、利益にならずに資本金として扱われる。株式の売却益なんかを利益として
経営学部で商業簿記や工業簿記を履修したんだけど、ほとんど覚えていない。もっと真剣に勉強しておけばよかった。。。(←このあたりは不安な知識)

誤解されないように書いておくけど、ライブドアの経営戦略は選択してはいけないということではなくて、選択するのも「アリ」な戦略だと自分が考えているということ。
ライブドアの戦略に賛成しているわけではないので。
ありえないけど、仮に自分が経営者の立場でも、ホリエモンのような戦略は一時的にせよとるかもしれないなと思う。
というのも、新興企業が名前を売ったり企業価値を高めるためには、ある程度のマネーゲームも必要だと考えるから。
(と書きながら、ほんとにやるかな?と自分のことながら疑問に思った)

ライブドアをIT系企業とひとくくりにしているけど、こうやってみてみるとIT系って言うのも少し違うかな。投資ファンドって呼んだ方がいいのかも。ついでにITも手つけてみましたみたいな。
ITの世界で名をとどろかしているyahoo、googleやamazonといった会社とは別物だと考えるから。

と、書いてみたけど、まとまってね〜な。
この記事、あとで消すかもしれないな。
家に帰ると、本がテーブルの上に置いてあった。
東野圭吾の本が2冊。「容疑者Xの献身」と「どちらかが彼女を殺した」だった。

昼間、トモさんがわざわざ家まで届けてくれたようで。

トモさん、寒い中ありがとう。
ニム、気を使ってもらってすまないね。

>先日紹介したこのブログ

ホリエモンが身柄を拘束され、この後ライブドアの株の取り扱いについて理解しやすく書いてある。
http://chou.seesaa.net/article/12129973.html

山一證券のときみたいに、誰が仕手戦にもっていかないかな?
隣に座っている職場の先輩は「デイトレやるか」とばかりに株価チェックに余念が無い。

それにしてもホリエモンの逮捕は非常に残念だ。
ホリエモン尊敬してたのに。。。俺はホリエモン擁護派なんだよね〜。
ワンマンだけど、リーダーの資質を持っていたと思うのがその理由。

昨日ホリエモン逮捕のニュースを知った時はとても驚いたけど、自分なりにこの一連の流れは冷静に見ているつもり。

なんかニュースや新聞を見ると、マネーゲームで企業価値を高めようとしてけしからんみたいなことをよく耳にしたり目にしたりする。
けど、それがそこまで言う程そんなに悪いことか?と思ってしまうんだよね。
それが悪かったら、マネーゲームを主体にしている村上ファンドとかも悪い企業なんじゃ〜ないのかい。

ま、法律というルールを守らなかったのは良くないとは思うけどね。とうとう、取締役社長を退任したし。
今日は定時で帰って来たので、7時のNHKニュースからホリエモン事件を堪能した。

関係ないけど、きっこはすごいな。
耐震偽装もそうだったけど、今回も色々な波紋を巻き起こしそうだ。
密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。


ダメだ〜。全然面白くない。
80ページを読んだところで、読むのを止めてしまった。
誰かは忘れたけど面白いよと勧められて読んだんだ。けど、まったく面白くなかった。

設定が古いというのと、無理な設定が面白くないと思った理由だろう。
ヴァーチャル・リアリティとか、ネットワークで全て繋がるというようなことを仰々しく書いている。
で、調べてみると発刊は1996年。当時としては新しかったかもね。
この業界にいるオイラとしては、古さばかり目立って興ざめだった。
無理な設定というのは、天才とかものすごく頭の良い人が多いということ。
そんな人ばかりだったら、なんでもできるよって思った。

発売当時に読めば、面白かったかもしれない。

久しぶりに星は1つ。

著者の書く作品は幅が広いと思う。
「最悪」「邪魔」ではシリアスに人間の落ちていく様を大胆に描いたかと思えば、「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」では伊良部という強烈なキャラクターを登場させ人間のあやふやで曖昧な精神の営みを皮肉った。そうかと思えば「サウス・バウンド」では冒険活劇よろしく、俺の心を強烈に鷲掴みにしたりする。

で、この「ララピポ」。
うん。下品。この下品という一言に尽きる。
登場人物はフリーライターだったり、渋谷のスカウトマンだったり、官能小説家だったり。そんな彼達・彼女達が各編で入り乱れている。
色々と計算して生きているんだけど、それが裏目に出たり。

喫茶店とか電車の中とか、人のいるところで読まない方がいいと思う。
ついニヤニヤしてしまうので。

星4つ。
全国書店員が選んだ、一番売りたい本の1次ノミネートが発表された。
http://www.hontai.jp/

これから2次投票が行われるようだ。
11作品中、読んだのは4冊。直木賞のエントリと比べるとまあまあ読んでる方かな。
伊坂幸太郎の作品が2つも入っているのが嬉しい。

『告白』 町田康(中央公論新社)
『サウスバウンド』 奥田英朗(角川書店)
『さくら』 西加奈子(小学館)
『死神の精度』 伊坂幸太郎(文藝春秋)
『その日のまえに』 重松清(文藝春秋)
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー(扶桑社)
『ナラタージュ』 島本理生(角川書店)
『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男(文藝春秋)
『魔王』 伊坂幸太郎(講談社)
『容疑者Xの献身』 東野圭吾(文藝春秋)
「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」

とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説!

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。・・・父さんの衝撃的な一言で始まる本作品は、いま最注目の新鋭作家・瀬尾まいこ氏による4作目となる長編小説であるとともに、主人公・佐和子の中学~高校時代にかけての4編の連作による構成となっています。 佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄・直ちゃん)、そして佐和子のボーイフレンド、兄のガールフレンドを中心に、あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます。

この著者の本を読むのは「卵の緒」から数えてこれで二冊目になる。
著者はこういう家族ものを描かせるのが上手だ。

「真剣ささえ捨てることができたら、困難は軽減できたのに」という言葉を残して父さんは自殺を図るが生き残り、母は家を出て、兄は大学を辞める。

「家族の絆とは何か?」みたいなそんな大それた命題はないんだけど、この家族のような生き方も家族という形態を持続させていくために必要なんだと思う。

ラストの展開は安易すぎたのではないかと感じた。
どっちかというと前に読んだ「卵の緒」の方が好きだけど、十分に楽しめる1冊。

1990年の芥川賞受賞以来、1作ごとに確実に、その独自の世界観を築き上げてきた小川洋子。事故で記憶力を失った老数学者と、彼の世話をすることとなった母子とのふれあいを描いた本書は、そのひとつの到達点ともいえる作品である。現実との接点があいまいで、幻想的な登場人物を配す作風はそのままであるが、これまで著者の作品に潜んでいた漠然とした恐怖や不安の影は、本書には、いっさい見当たらない。あるのは、ただまっすぐなまでの、人生に対する悦びである。

家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

80分間に限定された記憶、ページのあちこちに織りこまれた数式、そして江夏豊と野球カード。物語を構成するのは、ともすれば、その奇抜さばかりに目を奪われがちな要素が多い。しかし、著者の巧みな筆力は、そこから、他者へのいたわりや愛情の尊さ、すばらしさを見事に歌いあげる。博士とルートが抱き合うラストシーンにあふれるのは、人間の存在そのものにそそがれる、まばゆいばかりの祝福の光だ。3人のかけがえのない交わりは、一方で、あまりにもはかない。それだけに、博士の胸で揺れる野球カードのきらめきが、いつまでも、いつまでも心をとらえて離さない。(中島正敏)


映画化の原作で話題になっている。駅にもこの映画のポスターが貼ってあったりする。
原作を読んでみようと思って、手に取った本。

きれいな話だった。けど、自分には物足りなかった。
80分しか記憶を保持することができないという設定は面白いし、数学好きな自分にとっても知的好奇心をくすぐられる要素があってそれなりに楽しめる。
でも、それ以外の物語の展開は単調に感じられた。
泣けるポイントもあるようなんだけど、そのポイントはどこにも感じることができなかった。

面白くないことはない。けど、自分には合わない本だった。
期待しすぎただけなのかもしれない。
星は3つ。

このブログのソニーに関する記事はとても興味深い。
http://facta.co.jp/blog/

ソニーの迷走ぶりが手にとるように見える。

この前読んだ「ビジョナリー・カンパニー」に書いてある、ビジョナリー・カンパニーである条件からは外れてきているのがよくわかる。
先日の「死神の精度」に引き続き、連続で伊坂幸太郎の作品を読み終わった。

これは面白いよ。
文句なしで星5つ。

「死神の精度」「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」のようなダークな部分はほとんどなく、能天気な大学生の物語になっている。
「陽気なギャングが地球を回す」を面白いと思った人は気に入ると思う。

登場人物がとにかく魅力的。
麻雀の四風牌にちなんで、北村、南、東堂、西嶋、そして鳥井の男女5人が繰り広げる青春もの。
北村は、いつもの伊坂氏の主人公と同じタイプで温度の低い、ちっとも面白味のない奴。
南は、大人しい超能力女。
東堂は、笑わない冷めた美女。
鳥井は、ぎゃははと笑う合コン男。
そして西嶋に至っては、すぐ政治の話を出してくる鬱陶しいヤツ。

でもそんな西嶋が好き。世界平和を願って、麻雀でもつねに「平和(ピンフと読む麻雀の役)」であがろうとする。
字が同じだから平和を作り続けるっていう考えが面白いよ。

物語の展開にハラハラさせられたり、ちょっとホロっときたり。
こんな大学生活をもう一度やりたい。
学生時代を思い出しちゃったよ。

もちろん伊坂幸太郎特有の時間軸を狂わせる要素もあるし、西嶋の過去に関係している人物はチルドレンに出てくるあの人を思わせるような展開もあるし。


西嶋が発した好きなセリフ。合コンの場で酔っ払いながらの場面。
「目の前の人間を救えない人が、もっとでかいことで助けられるわけないじゃないですか。歴史なんて糞くらえですよ。目の前の危機を救えばいいじゃないですか。今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ」

これは全くもって俺の想像なんだけど、西嶋のモデルってサンボマスターのボーカルである山口隆なんじゃないかな。

今日は凄いニュースがいっぱいあった。

ヒューザー小嶋社長の証人喚問、ライブドアの強制捜査、宮崎被告の最高裁判決、阪神・淡路大震災から11年というのが今日の主なニュースだと考えていた。

かろうじて観たのは筑紫哲也がキャスターをつとめるニュース23。
トップニュースは証人喚問だったね。

小嶋社長は一気に年齢を重ねたような風貌だった。
参考人質疑に見られた肌のツヤはどこへやら。
ああやって、質疑への回答を拒否するのって許されるの?

ライブドアはどうなるんだろう?
ライブドアの株価が下落して時価総額が1日で1500億も下がったようで、これを機にIT関連の株価が軒並み下がり、今のちょっとしたバブルがはじけるかも。
ホリエモンの肩を持つわけではないけど、早朝の会見でのホリエモンは寝てなくて疲れているとは思うんだけど、ちゃんと受け答えしようとしていて俺は好感をもった。説明責任を果たそうとしている姿がなんかかっこよく見えた。

071f1b37.jpg
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060117-00000111-mai-soci
 第134回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が17日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞が絲山(いとやま)秋子さん(39)の「沖で待つ」(「文学界」9月号)に、直木賞は東野圭吾さん(47)の「容疑者Xの献身」(文芸春秋)に決まった。ともに、何度も候補になったことのある実力派の受賞になった。贈呈式は2月17日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれ、正賞の時計と副賞100万円がそれぞれ贈られる。

前の記事でも希望を書いたけど、東野圭吾が直木賞を受賞!
この作家好きなので、純粋に嬉しい。

やっととれたね〜という感じ。

ニュースの映像で彼の声を初めて聞いたよ。
あんな声してるんだ。
図書館で借りてきた以下の本は貸し出し期限内に読みきれなくて、残念ながら返却。
また機会を見つけて借りてこないと。
・野球の国
・マドンナ
・泳いで帰れ

今日読み終わったのは「死神の精度/伊坂幸太郎」。
今回の直木賞のエントリー作品。

クールな死神を主人公とする以下の6編の構成です。彼が担当する人間は8日目に死ぬ運命にあり、それで「可」なのか、それとも死を「見送る」べきか、を判断するのが仕事です。
1. 死神の精度:企業のクレーマー担当係の女性
2. 死神と藤田:筋を通すやくざ
3. 吹雪に死神:吹雪の山荘に集まった人々
4. 恋愛で死神:イケメンでシャイなブティック店員
5. 旅路を死神:人を刺し殺した若者
6. 死神対老女:センスの良い70歳の美容師


著者の特徴として時間軸を飛躍というのが挙げられると思う。
「時間軸の飛躍」って俺が勝手に作った言葉だけど、時間が正しく流れているようにみえて、実は過去の出来事だったり、ものすごく遠い未来の話をしていたり、読者の時間軸を狂わせるのが上手だということ。
本書の中でも最後の編においては時間軸は狂わされるし、それぞれの編での伏線みたいなのがきれいにつながるしでとても秀逸だと思う。

けど、東野圭吾の「ある閉ざされた雪の山荘で」を思わせるんだけど物足りないのもあったりて、「どうなのよ、これ?」と思わされる編もあったことは事実。

評価は星4つ。

普通の作者なら当然星5つなんだけど、伊坂幸太郎はどうしても期待してしまって、その期待をわずかながら下回ったと感じたので。

熱は下がったものの、体がだるく食欲もあまり出ないため家でのんびりしていた。
読み終わったのは、「ビジョナリー・カンパニー」

企業の使命として株主への利益還元がさけばれて久しい。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。

本書は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポート。企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。(青木 明)

ビジネスマンなら読むべき本だと思う。
先見性のある企業(ビジョナリー・カンパニー)には共通してどのような特徴があるかというのを書いてある本。

出版が1995年と古いので出てくる企業は今となっては「?」のつく企業もいることは確かだけど、なぜその「?」の企業がビジョナリー・カンパニーでなくなっていったのかを自分なりに類推していくのも楽しい。

本書には企業家の含蓄ある言葉も多く載っていて、それらを読むのもまた楽しい。
下は自分にとってピンっときた言葉。

ヘンリー・フォード
『自動車業界で莫大な利益をあげるべきだとは思わない。適度な利益が望ましく、過度の利益は望ましくない。利益は適度に抑えて、販売台数を多くする方が良いと、私は考えている。・・・なぜなら、車を買って、車にのるこをと楽しめる人が増え、そして、十分な賃金で雇用できる人数が増えるからだ。この2つの目標を達成することに、わたしは人生を賭けている。』

今日、読み終わったのはこれ。「ダックコール」。
石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。"まれに見る美しさを持った小説"と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。

鳥(特に野鳥)がモチーフになっている短編集。
描写が綺麗で話もそこそこ面白い、、、。けど、期待しすぎたかな。
短編はそれぞれ独立していて、ぶつ切りの印象があってトータルで楽しめなかった。

今年から、アフェリエイト貼ってみる。
興味あれば、クリックしてご購入を。そしたら、俺に少しばかりお小遣いが入りますんで(^^)

(古い本なので、上のリンクは画像がでてこない。)
たまたま観た準決勝で鹿児島実業のかこい選手がとてもフィーチャーされていて気になっていた。
テレビをつけると、前園がスーツを着てテレビに映っているので、何気にみたら面白かった。

高校サッカー決勝。鹿児島実業vs野洲。

野洲のサッカーは素人目から見てとても面白かった。
なんかやってくれるんじゃないかっていう感じがして。

延長戦の後半で決勝点をたたき出した野洲のカウンターは美しかった。
野洲高校、山本監督の自信満々なコメントにも納得した。
年末・正月はダラダラしてたり、テレビを観てたりしてたので読む本がたまってしまった。

買った本、借りてきた本を含めて14冊あった。
読みきれるか、ちょいと不安。

順不同で列挙。

1.ダック・コール
2.人生は数式で考えるとうまくいく
3.すべてがFになる
4.追憶のかけら
5.ビジョナリーカンパニー
6.ドミノ
7.博士の愛した数式
8.死神の精度
9.殺人症候群
10.ララピポ
11.幸福な食卓
12.野球の国
13.マドンナ
14.泳いで帰れ

「ビジョナリーカンパニー」は前から読みたかった本。優良企業はなぜ優良企業たりえるかというのが書かれている。
直木賞にエントリーされている「死神の精度」、1/21に映画で公開される「博士の愛した数式」と、まずまずの選曲ならぬ選本じゃない?

図書館から借りてきたのを先に読まなければ。
ちなみに、今読んでいるのは「ダック・コール」。
http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/


伊坂幸太郎 「死神の精度」 (文藝春秋)
荻原浩 「あの日にドライブ」 (光文社)
恩田陸 「蒲公英草紙」 (集英社)
恒川光太郎 「夜市」 (角川書店)
東野圭吾 「容疑者Xの献身」 (文藝春秋)
姫野カオルコ 「ハルカ・エイティ」 (文藝春秋)

「2005年このミステリーがすごい」でもブッチギリの1位だった東野圭吾の受賞で決まりでしょ。
候補作である「容疑者Xの献身」は未読だけど。というより、候補作は全部読んでない・・・。まだまだ修行が足りませんね
6c8dbf1b.jpg
サブタイトルは「完全無欠のミステリー全280冊」

好きな作家のインタビュー的な記事が面白い。
東野圭吾と伊坂幸太郎が載ってる。
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