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1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、同級生に首を切り落とされ、殺害されたのだ。「28年前の酒鬼薔薇事件」である。
10年に及ぶ取材の結果、著者は驚くべき事実を発掘する。殺された少年の母は、事件から1年半をほとんど布団の中で過ごし、事件を含めたすべての記憶を失っていた。そして犯人はその後、大きな事務所を経営する弁護士になっていたのである。
これまでの少年犯罪ルポに一線を画する、新大宅賞作家の衝撃ノンフィクション。
1969年に起きた事件について、事件後の被害者からの視点で書いているルポ。本屋で平積みにされていたので、読んでみた。
途中までこの本がフィクションなのか、ノンフィクションなのかわからなかったので、"あとがき"を先に読んでから読み進めた。前提の知識が無いと読めないというのはツラい。
amazonの書評を読むと、好意的なものが多いのに驚いた。自分は、なぜそんなに好意的に受け取るのか不思議だったのだ。
著者が伝えたかったのは、被害者の人権が守られていない。加害者は手厚い保護を受けて弁護士になっているにもかかわらず、被害者の家族は今も苦しんでいるということだろう。
とはいいながらも、被害者の家族が抱えている負の部分をこうやって書籍にして公開していいのかと、疑問を持ちながら読んだ。
さらに、被害者側の立場からの記述が多いので、被害者の立場を擁護するような偏った記述が多いのではないかとも感じた。
星3つ。
この本を読んで色々なことを考えるのもいいと思う。