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国連で難民事業に携わる里佳は、上司で元夫のエドがアフガンで死んだという知らせを受ける。そして、エドがアフガンで助けた少女のことを伝え聞き-。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。
この前読んだ、「まほろ駅前多田便利軒」と同時期の直木賞を受賞した作品。 以下の6作からなる短編集だ。
- 「器を探して」
- 「犬の散歩」
- 「守護神」
- 「鐘の音」
- 「ジェネレーションX」
- 「風に舞いあがるビニールシート」
良かった。好みなのは、「守護神」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」の3編。
ジェネレーションXはちょっと涙が出そうになった。こういう作品が好きなんだと思う。十年前の約束を果たすための物語。
印象に残ったセリフ。
「でも俺たち、いつまでもそういうバカでいたいなって、十年前に話してたんすっよ。そりゃ、十年も経てば誰だって仕事してるだろうし、結婚してるかもしれないし、もしかしたら子供だっているかもしれない。今より大事なもんが増えて、責任も、足かせも、いろんなもんが増えてるだろうけど、でも十年のうちでたった一日、みんなと草野球ができないような人生はごめんだよな、って。十年のうちで一日ぐらい、野球のためになにもかも投げ出すようなバカさ加減だけはキープしたいよな、って。」
最近、丸くなりつつあると感じる。尖がる必要はないけど、バカになれるような精神は持っていたいものだ。
著書のタイトルになっている「風に舞いあがるビニールシート」も良かった。考えさせながら、温かくなった。
正直言うと、最初の二作「器を探して」「犬の散歩」を読み終わった時点では、続きを読むのをやめようとしいた。終わり方が中途半端で、だから何よ?って思ったから。
しかし、、「守護神」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」は良い。
星4つ。
ぜひ読んで欲しい。