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偽装請負―格差社会の労働現場

長期不況で一気に広がった「偽装請負」という雇用形態。キャノン、松下電器産業など超一流企業までもが、そんな違法行為をしていた。

2006年夏から告発報道を展開した朝日新聞特別報道チームの渾身のルポ。

これは良い本だ。先に評価を書くと、星5つ。

他社の方と一緒に働く機会が多い自分にとっては衝撃的な内容だった。よく取材してある。

雇用形態の派遣、請負というのがあるのは知識としては知っている。それらの人達に対してやっていいこと、やってはいけないことというのも知識としては知っていた。

請負で席を並べている人に対してやってはいけないことに「指揮命令」がある。新人の頃なんかは知らないで、仕事を円滑に進めるために、お願いごとを直接していた。

後から、指揮命令はダメと言われても、「実態に合わないのは、悪法でしょ」なんて思ってたぐらい。

どうして、そういうことをやってはいけないかというのがよくわかった。偽装請負は戦前に行われていた「人夫だし」と同じで、労働者の安全・健康・安定雇用等を権利を守ることができないものだからだ。

著書では丹念な取材を元にとてもよくまとまっている。歴史的な背景から、キャノンと松下電器産業の偽装請負の具体的な事例、人を供給した大手請負会社の実態、「労災隠し」というキーワードから安全に対する警告と読み応えある。

ページの半分を割いているのが、キャノンの偽装請負。「これは、ひどい」と読みながら感じた。先月、購入した一眼レフはキャノンなのだけど、この本を事前に読んでいたらこのメーカーからの購入はためらったかもしれない。製品自体はとても気に入っているのだけど、会社のイメージが・・・

また、請負人を送り込んできた最大手企業「クリスタル」の話も衝撃的だった。この本で初めてその存在を知ったよ。偽装とはわかっていながら、それでも売上拡大、利益拡大を目指すのか。

この「クリスタル」は2006年に身売りするのだけど、身売りした先がグッドウィルだったとは、皮肉な話と言うか、なんというか。

この本は、ぜひ読んでおいた方がいいと思う。

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