読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
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コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。
伊坂幸太郎のデビュー作だ。やっと読むことができた。
第5回新潮ミステリー倶楽部賞(平成12年)を受賞している作品。
独特な設定と個性のある登場人物達、そしてウィットに富んだ会話の数々。
伊坂節の原点はここにあるんだと、感心しながら読んでた。
カカシがしゃべるという独特な設定はびっくり。しかもそこは、仙台沖に浮かぶ鎖国をしているような島。登場人物もほんと個性的。反対の言葉しか喋らない人、ものすごく太っていて動けない人、謎の双子。
伊坂節ここにありって、会話も楽しめる。
「アフリカのジャングルだって、外部との交流はあると思うんだが。」(鎖国している島の現状を聞いた主人公のつぶやき)
「ここはジャングルじゃない。」(それに答える案内人)
イメージ的には「オズの魔法使い」。旅に出るストーリーではないんだけど、雰囲気は「オズの魔法使」いだった。不思議な世界観だった。
ストーリー中にちりばめられた伏線がラストに向かって気持ち良いほど集約していった。この書き方はさすが。
ただ、好きな伊坂の作品がだけに、自分のハードルが高い。
キャラクタの描き方がちょっと中途半端で、感情移入がしにくかったのは否めない。
色々な要素を盛り込みすぎでスピード感もかけていたかも。最近の作品はもっとスピーディーに読ませるので、それと比べてしまうからなんだろう。
星3つ。(普通の作家なら星4つかな?)
「陽気なギャングが地球を回す」や「砂漠」が苦手な人には、この作品がいいかも。
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