読書の記録がメイン。後は、つぶやき的な記録。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子。感動の重松ワールド
生と死を描いた作品。「死」をテーマにすることで、その裏にある「生」についても考えさせられるリリー・フランキーの東京タワーとはちょっと違う感じ。
短編集みたいになっている。メインは後半の3編。著書タイトルにもなっている「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」。その3編では、妻が余命1年の癌と告げられて、亡くなる日を「その日」とし、その前後を構成している。
途中までは、「お涙頂戴が過ぎるんじゃない?」と斜めからの目線で読んでいた。しかし、その読み方は「その日のまえに」の章を読み始めたら払拭された。後半は鼻水がズルズルと流れて、恥ずかしかったよ。この本は周囲に人がいるところで読んではいけない。SMAPの草薙君が主演したドラマ「僕の生きる道」にも通じるところがある。
この本は事故等で突然いなくなるという話ではなく、癌のように近い将来死んでしまうが今は生きている主人公達が描かれている。その各編の主人公達が「死」に対して、誠実に向き合う。そして、その「死」に確実に向かっていく主人公の近くにいる人達の姿が印象的に描かれている。
もし、自分が癌と宣告されたらどうしようとか、愛しい人が癌と宣告されたらどうしようとか、考えてしまった。
書きたいことはたくさんあるんだけど、考えがまとまらない。
「死」について、中学生の頃とかは漠然と考えていた記憶はある。けど、今は全くと言っていいほど考えていない。今を「生きる」ことに精一杯なんだなって、改めて感じた。
なんか、大仏みたいになってきたな。(from ホイットマン)
2つ目の「朝日の家」という編はどことなく宙ぶらりんの感があるものの、各編のつながりもあり、とても面白く読めた。
星5つ。お勧め。
PR
この記事にコメントする