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もはや「中流」ではない。「下流」なのだ 「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)「下流社会」とは具体的にどんな社会で、若い世代の価値観、生活、消費は今どう変わりつつあるのか。マーケティング・アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。amazonの紹介
amazonのレビューは批判的なものが多い。けど、自分にとっては刺激的な本だった。とても面白く読んだ。
大胆な仮説をたてて、それを挑戦的に書く筆者の手法は、普段鈍くなっている頭を働かせるのには十分。これはこの前に読んだ「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」も併せて読まないといけないかも。仮説をそれらしく書いているので、鵜呑みにするのは危険だ。
これを読んでて思ったのは「血液型性格診断」。A型だから几帳面とか、O型だから大雑把とか。人なんて4つに分けられるはずないっていうのは分かっているのに、どうも信用してしまう。そんな感じなんだ。
自分の書き方もちょっと批判的になってしまったけど、「なるほど、そういう考えもあるなー」と感心するところもあった。それは、晩婚化は階層化によってもたらされたという考え方。階層化が進み自由恋愛が困難になったからという仮説だ。昔は家柄の違いを乗り越えて結婚や駆け落ちまでしてしまうというのが、恋愛結婚がロマンチックだと信じられてきた。しかし、今は自由になったがゆえに、異なる階層の人たちと出会うチャンスが無くなったのではないかというもの。一流商社マンはパチンコ屋のお姉ちゃんと結婚しないことを考えると、「たしかに、そういうこともある」と思ってしまう。
または、年収300万円だと結婚できない仮説も興味深い。
なんだかんだ言って、いやらしい話、自分はどの階層にいるのかというのが気になってしまったのも事実。
星5つ。頭の体操にとても良いと思う。
上にも書いたけど、「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」を併せて読むのをお奨めする。