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堀江貴文氏の逮捕で日本社会を揺るがすライブドア。フジテレビとの攻防。村上ファンド、楽天との闘い…。裏では誰がどう動いていたのか? 舞台裏の人間ドラマを描ききった、書き下ろしルポ。amazon
「真実は小説よりも奇なり」という言葉があるけど、まさにそのとおりだと思う。
本書はライブドアを中心とした一連の出来事(球団買収、ニッポン放送の敵対的買収、ホリエモンの選挙、逮捕)を、劇画チックに書いてある。ドラマチックに書こうとしているのが、嫌味な感じなんだけど、様々な角度から書いてあったのが良い。「へ~、そんなことがあったんだ」とか「うわっ、えげつないな~」とか「ほんとに、こんなことできるの?」とかそんな感想を抱きながら読み進めたよ。
「水滸伝」という中国の小説があって、その小説は登場人物の多さでも有名。そして、本書でも多くの登場人物が出てくる。もちろん、中心はライブドアのホリエモン、宮内、熊谷。他のヒルズ族でいうと、村上ファンドの村上、楽天の三木谷。それ以外にも、外資系ファンド、外資系証券、外資系銀行、官僚、政治家、など、政界、財界、芸能界を問わず様々な人物が登場する。なので、人物把握は大変だった。
印象に残っているのは、村上ファンドの村上。影で暗躍している村上の姿が生き生きと書かれていた。ライブドアが仕掛けたニッポン放送の敵対的買収、楽天が仕掛けたTBSの敵対的買収など、裏には必ずといって良いほど村上の姿があった。
著者はライブドアをアジェンダセッティングが上手な会社と評価しているが、自分もそのとおりだと思う。今でこそ、王子製紙やコナカ、オリジン弁当のTOBだの敵対的買収だのとそのような言葉が一般的になったのは、良くも悪くもライブドアという会社の影響は大きいと思う。
政府が景気回復策として既存企業を救うために実施した規制緩和政策が、ライブドアの株式分割、時間外取引につながっていったという考えは良い気付きだった。また、「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、シティバンクの検査→シティトラスト信託銀行の閉鎖→ニッポン放送株の大和SMBC移動に絡んでフジテレビのニッポン放送株TOBへと進む流れは、「ホントなのかよ?」とは思うものの、ものすごい刺激だった。
星4つ。以下の本とあわせて読むと理解が深まると思う。
- 真相 ライブドアvsフジ 日本を揺るがせた70日
- 特捜検察の闇/魚住 昭