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はじめてわかる国語
いったい何の学問?
文学鑑賞文法漢字書き取り作文――楽しむコツを教えます

西原理恵子とコンビの爆笑お勉強シリーズ。
小学校の国語教育の矛盾や日本語の乱れ、入試国語問題必敗法や文章読本まで、清水義範のいちばん得意な分野のエッセイ。高島俊男、斎藤美奈子氏との対談つき好著。


自分には、国語という授業にある種のトラウマがあるんだろう。どうもこういう本に惹かれてしまう。
国語や読書についての考え方は以前にも記事を書いている。
これらの記事に書いたのと同じ考えや感じ方を、上手な文章で展開してくれている。
著者は国語の授業が登場人物の心情に迫ったり、道徳教育的になってしまっていると指摘する。

夏目漱石「坊ちゃん」の読書感想文で、本当に自分が感じた心の叫びを書いたとしたら。。。

「坊ちゃんなんて、世間知らずな青臭いやつだと思いました。青臭すぎて、臭いんです。そう、坊ちゃんはうんこなんです。うんこ。うんこ。わ〜い。うんこ〜〜〜!!」

と、自分の感じたままを書いたとする。(例えば、うんこ大好きなスカトロの尿太郎が上のように書いたとする。仮にね。)

多分先生から怒られる。
間違いない。
ほんとうの感想を書いたとしても、ふざけていると怒られる。

それならば。

「坊ちゃんの一本気な性格に深く心を打たれました。ボクが坊ちゃんなら・・・・」と道徳的に評価されるように書いたほうが褒められる。褒められないかもしれないが、怒られはしない。


言語で思考するっていうのは、確かにそうだな。

また、興味深かったのは戦後の日本語表記。なるべく発している音をそのまま書きましょうっていうように文部省主導で変化させたこと。例えば「けふ(今日)」は「きょう」と書きましょうとか、「おもひで(思い出)」は「おもいで」と書きましょうとかいうやつ。テレビの字幕に出ているような、「あ」に濁点の「あ”」とか「ま」に濁点「ま”」とかって、名古屋弁では発音するんだよ。そうなると、これらのひらがなというのも正しいと日本語が変化していくかもしれない。

国語の授業が嫌いだったのは変わらないけど、国語の教科書で名作と呼ばれる文学に少しでも出会えたのは良かったと思う。名作の文章を知っている、知らないっていうのはこの年齢になると大きいと思う。

星4つ。
国語という授業が嫌いだった人にお薦め。
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