[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
日本に皇室があることで何が守られているのだろうか?天皇を「キング」や「エンペラー」と訳すのはなぜ間違っているのか?ヨーロッパ文化にも造詣の深い著者が、この国に皇室があることの意味を明快につづる。
「篠沢教授に3000点」のクイズダービーでお馴染み。篠沢教授が書いた本だ。
思った以上に読みやすかった。タイトルから想像すると、とっつきにくそうなんだが、わかりやすく書いている。
皇室や天皇を、歴史的な観点から冷静に書かれている。好印象を持って読んだ。
歴史の観方としては「いわゆるA級戦犯」を書いた小林よしのりと似ていると感じた。
興味深かった記述。
・天皇を現人神と定義しているものを、英語にLiving Godと訳した。日本では多神教であり、対して西洋ではGodは唯一の神、汎神教的感覚を理解していなかった当時の占領軍は勘違いをした。戦前の日本人は天皇を現人神と言っていたが、神とは思っていなかった。
・明治以来の天皇は、勝手気ままに政策決定はできなかった。「内閣の輔弼」のみ。これは今の「内閣の助言」と同じ。(←小林よしのりと同じ歴史の見方。)
・「元首」の意味。統帥権も統治権も持っている戦前の天皇というのを元首とイメージしてしまっている。しかし、元首は国際的に見れば各国様々だ。ドイツやイタリア、英国と同じように、政治権限の無い大統領や君主も「元首」でありえる。
前半は面白かったのでちゃんと読んだけど、後半はそれほどでもなく流し読み。
星3つ。後半も面白かったら、星4つだったかも。
皇室を考えるには良質な本だと思う。